セガガガ 後編「セガなんか死んじゃえ!」

セガガガ 後編「セガなんか死んじゃえ!」


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最下層で萌え老なる老人と出会った。元々C研は「萌え研」と呼ばれていた部署で、萌えによって大ヒットを飛ばしていた開発室であった。しかし、萌えを理解できない上層部が恐れを抱き、萌えを弾圧したのだという。萌えとは何か、そして萌えの重要性を説く萌え老だった。

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最下層から脱出するには、伝説の萌え萌え姫が必要だという。
「その者、額に白銀の兜をかむりて開発の野に降り立つべし。失われし社会との絆を結び、ついに人々を青き萌え萌えの地に導かん」
こんな言い伝えがあるそうだ。ピンと来た。弥生を呼び出すと、萌えに飢えたスタッフ達がワラワラと群がってきた。そして、「萌エレベータ」が出現した。

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俺は萌エレベーターに乗って、萌えの心を忘れてすっかり増長しているCマンのいる最上階へと向かった。そして、新たに習得した必殺技「萌え萌え」によってCマンを倒したのだった。

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C研は元の萌え溢れる開発部に戻った。同じくすっかり元に戻ったCマンも、ゲーム開発の協力を申し出てくれた。いよいよカオリンとの萌えゲー対決に挑む。

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カオリンに対抗すべく萌えゲー開発に乗り出した。スタッフを馬車馬の如く働かせ、採算度外視の宣伝も垂れ流す。

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遂にソフトが完成した。タイトルは「激萌秘書アリサ」。セガの社長秘書をモデルにした恋愛アドベンチャーゲームである。結果は126万本のミリオンセラーとなった。情弱を騙すのは簡単だ。

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同時期にカオリンも新作ソフト「もえもえパラダイス」を発売。しかし、我々のソフトの前では凡百のギャルゲーだった。こうして俺はカオリンとの萌えゲー対決を制し、セガの窮地を救ったのだった。

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萌えゲー対決に敗れたドグマ社が、新しいゲーム機を発表してきた。そして、ドリームキャストの300倍のパワーを謳って、大々的な宣伝活動を行っていたのである。これに対抗すべく、セガも超次世代機の開発に着手することになり、俺と弥生はD研へと向かった。

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しかし、ここで人交社長がアメリカで倒れたという一報が入る。新たにセガガガの指揮を採ることになったのが、クール特務部長だった。クールは、アメリカにおけるセガのシェアを1年で3倍にしたやり手であったが、同時にセガガガの設立に最も反対した人物でもあった。

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再度D研に向かったが、そこはクール特務部長によって閉鎖されていた。俺と弥生は夜を待って潜入に成功し、D研の奥に眠っていたドルメヒカという謎の物体に出会った。しかし、そこへクール特務部長が現れ、弥生をスパイとして拘束してしまった。

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セガを追われた俺は、ゲームショップ「BUG大鳥居」でバイトをしながら、平穏な日々を送っていた。そこで俺は、セガガガに対するユーザーの生の声を聞くことになる。それは、売れ筋ばかり狙っている現在のセガガガへの批判だったが、一部のマニアではなく、多くのライトユーザーに向けてゲームを作っている現在のセガガガこそユーザーフレンドリーであるという意見もあり、それを聞いた俺の信念は揺らいだ。

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今までやってきたことは間違いだったのか?河原の土手で夕日を眺めながら、俺は悩んでいた。そこへアレク店長がやってきた。自分も同じだったと言う店長。実は店長は、任天○のマ○オさんに対抗するため生み出されたセガ期待のゲームキャラクターだったが、結果が出せずに、後から出てきたハリネズミに取って代わられたのだ。
「俺は…ゲームキャラだからさ、誰かが操作してくれない限り、いつまでもこうやって止まってることしかできないんだ。次のステージがくるのを待ちつづけて、ずっとな。止まった時間の中で、また開発室に呼ばれる日をただずっと待ったんだ。だけど、お前は違うだろ。お前は進みたかったら、自分で先に行けるじゃないか。お前は、いまここで止まってる。でも、それはお前が自分で止まることを選んでるだけだ。」
アレク店長の言葉が重く突き刺さる。

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アレク店長は、俺をとある居酒屋に連れて来た。そこには、かつて戦ったA研部長がいたのだ。俺は、ゲームに対する思いの丈をA研部長にぶつけた。そしてA研部長にセガ系列のバイトを紹介してもらったのだった。

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最初の仕事は、ハイテクセガランド西蒲田店での筐体拭きだった。どうやったらそんなに黒くなるんだと突っ込みながら、せっせと筐体を磨いていった。意味もなくボーナスポイントをゲットした。

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次の仕事は、倉庫での積荷作業だった。床に散らばったドリキャスを、蹴っ飛ばしてトラックに積み込んでいく。倉庫内では、ガーション・キングスレイの「ポップコーン」がBGMに流れている。レゲーファンならお馴染みの「ペンゴ」の曲だ。しか~し、よく聞いてみると似ているけど違う曲だった。

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俺はD研への再潜入に成功した。そこで俺が見たものは、実験台にされている羽田弥生の姿であった。クールは、セガの地下に眠っていたドルメヒカを使って、ゲーム業界だけでなく世界全体を支配しようと企んでいた。俺はクールに立ち向かった。しかし、クールの思念体の圧倒的なパワーの前にどうすることもできない。その時弥生が目覚めた。実験装置は大爆発を起こして、クールは消し飛んだ。閉じ込められていた水槽から抜け出した弥生だったが、力尽きて倒れてしまうのだった。

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怪我で入院した弥生を見舞いに行ったが、彼女が何者なのかは聞かなかった。俺を利用したことをしきりに謝る彼女に、そのおかげで大好きなゲームを作ることができるようになったと、ポジティブ思考でお礼を言ったのだった。

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俺は超次世代機開発のため、再びD研に入った。そこで待ち受けていたのは、歴代のセガのゲームキャラであった。中でも、「大統領の娘」というキャラクターの破壊力は別格であった。

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セガのゲームキャラを説得し続け、そこで集めた様々な魂の中から、「腐」「夢」「星」の3つでゲーム機を開発した。出来上がった超次世代機は「魑魅魍魎」でした。

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ドグマ社の人工生命体Eが、新作ソフトを発売する。そのような情報をキャッチした俺は、D研で捕まえたゲームキャラをスタッフに起用して、新たなゲーム開発に乗り出した。

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できあがったのセガマークIII版の「ファンタジーゾーン」だった。アーケードの名作横スクロールシューティングの移植作である。

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というわけで、短期間での制作を余儀なくされたものの、採算度外視の宣伝活動もあって70万本のヒットとなった。人工生命体Eとの対決を制し、業界でのシェアは95%にまで達した。セガのゲーム業界制圧まであと僅かだ。

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ドグマ社は、新たな刺客としてドグマ博士を送り込んできた。ドグマ博士の開発するゲームに対抗して、俺も新しいゲームの開発に着手した。出来上がったのはマークIIIの「スペースハリアー3D」だった。

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3Dグラス専用ソフトという高いハードルだったが、莫大な宣伝費で補って130万本の大ヒットに導いた。こうして遂にゲーム業界のシェア100%を達成したのだった。

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ドグマ社が日本ゲームショーにおいて超次世代機を発表した。それは、人間の脳に直接接続する究極のゲーム「ドグマメット」だった。しかし、それはクールがドルメヒカを悪用して作った危険なゲーム機である。更に、そのニュースを見た弥生が病院を抜け出したという一報も入った。俺はクールの野望を阻止し、弥生を救うためにドグマ社に向かうことを決断したのだった。

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セガを捨ててまで弥生を助けたいという俺の熱い想いに惹かれ、A研部長、フラグマン、ラマン、Cマンの4人が協力を申し出てくれた。ドグマ社では様々なトラップが仕掛けられていたが、4人が自らを犠牲にして助けてくれた。そして、とうとうドグマ社の中心部へと辿り着いたのでした。

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カオリン、人工生命体E、ドグマ博士のドグマ三人衆を説得した俺は、最後に現れたドグマ社長もどうにか説得することができた。しかし、黒幕は他にいた。クールであった。ドルメヒカは、セガだけでなくドグマ社の地下にも眠っていた。それを使って、クールは新しいゲーム機「ドグマメット2」を開発していたのだ。俺は人類の存亡をかけてクールと対決した。

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弥生は自らのドルメヒカを発動させた。クールの持つドルメヒカの破片と合わせて完全体にし、その力でクールを封印しようとしていたのだった。弥生とクールは宇宙へと飛び去っていった。しかし、衝撃でドルメヒカの一部が欠け落ちて俺の前に落ちてきた。これを弥生に届けなければならない。

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俺は落ちたドルメヒカの欠片を弥生に届けるべく、セガのメカトロ研に眠る名機R-720で宇宙に飛ぶことにした。アリサに連絡すると、セガ最速のあのキャラクターを迎えによこした。ソニックだった。確かに、これほど頼りになる奴は、セガ中探したっていやしない。

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セガ本社に着いた俺はメカトロ研へ急行。R-720に3百円を投入して起動させた。R-720は宇宙へと飛び立った。随分と安上がりな宇宙飛行ではある。

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その間にも、ドグマ社からモンスターが次々と飛来していた。セガは歴代の全キャラクターを総動員して、これを迎撃した。秘書のアリサも実はセガのキャラクターだった。初代ファンタシースターのヒロインだったあのアリサだったのである。

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R-720で宇宙へと飛んだ俺は、さながらサンダーフォースの如き空中戦を強いられた。遂には歴代のセガハードが次々と出現し、よく見知ったキャラクター達が攻撃してきたのであった。

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しかしながら、俺はそれらの厳しい攻撃をかいくぐり、遂にはクールの野望を打倒したのであった。眩い閃光の中で滅びゆくクール。戦いは終わった……

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弥生を迎えに来た同胞達。弥生はドルメヒカの真髄について語り始めた。
「ゲームはドルメヒカの極小さな現れ。遊ぶという行いは、この宇宙の本当の仕組みに人間が至るための鍵なの。もし人間が、遊ぶことの本当の意味に気づいたら、その時、新しい世界が出現するわ。でも、もし判断を誤れば、それは恐ろしい墓場になる。」

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「俺、ゲームを作るよ。まだずっと先の事になるかもしれないけど。きっと、すっごく面白いやつを作るよ。人が褒めてくれるような大したもんじゃないかもしれないけど、遊んでくれた人がさ、『あぁ、面白かった』って、それで、元気になってくれるようなやつを作るよ。きっと作るよ。だから、その時はまた……」
そう約束して弥生と別れ、俺はオパオパで地球へと帰還したのであった。

(おしまい)
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