此花トゥルーリポート

開発: ブリッジ
販売: サクセス
機種: ドリームキャスト
ジャンル: アドベンチャー
価格: 2800円
製品番号: T-9905M
学園を舞台にしたミステリーアドベンチャーゲーム。定価が2800円とかなり安いが、販売元がPSで低価格のスーパーライトシリーズを展開していたサクセスです。「悠久幻想曲」のスタッフが作ったらしい。
参考文献
此花KONOHANA: TrueReport 公式攻略ガイド&ファンブック(メディアワークス)

「死神だわ……」
と呟いていた。彼女の視線の先には、「0」と印字されている紙切れが落ちていた。この学園には死神の伝説がある。最初「3」と書かれた紙が送られてきて、それがカウントダウンされていって、「0」になると死亡するというものだ。

橘さんと2人きりの捜査会議が始まった。ここは俺の部屋。元々は新聞部の部室として使われていたが、他に部屋が無いので俺にあてがわれたというわけだが、新聞部部長の橘さんは、今も遠慮なくこの部屋を部室として使っている。おまけに、俺は橘さんの助手にされてしまった。転校初日に、この部屋で橘さんが着替えているところに入ってしまったことで、半ば脅されているのだ。
「僕はチカンじゃない」
などという弁解は通用しなかった。そもそも、新聞部自体が存在せず、橘さんが許可も取らずに部屋を使っていたというのが真相なんだが。
殺された被害者は、山内健三。地理担当の教師でクラスは持っていない。水泳部の顧問もやっていた。上にはヘコヘコ、下には横暴という典型的な小役人気質で、恨んでいる生徒も多かったようだ。パッと見はイケメンでモテそうだが。
「何か質問ある?」
と聞かれたが、特にないので早速捜査が始まった。

「みんなの噂を聞いてみよう」
と、聞き込みすることを橘さんに提案して、どうにか説得した。初めて入った校舎は、ゴミが散らかっていてやけに汚かった。女生徒は行儀が悪いし、本当にちょっと前まで女子校だったのだろうか?とりあえず、教室の前で話してる二人組に話を聞いてみた。どうも、山内先生は、特に水泳部からかなり嫌われていたらしい。
再びみんなの噂を聞いてみようということに。今度は一番手前にいるノートを持った女の子。山内先生の名前を出しただけで露骨に嫌な顔をするほど嫌っているようです。再びみんなの噂を聞いてみようということに。次は奥にいるチャパツの女の子に声をかけたが、うざったそうに興味がないと言われただけでした。部室に引き上げようとしたら、野々村先生に呼び止められる。橘さんの1年の時の担任で、人の良さそうな先生である。山内先生とは反りが合わず、あまり話しもしたことがないらしくよく知らないらしい。しかし、俺が転校してくることを知らなかったようなんだが、そういや寮の管理人も知らなかったし、何かあるのか?

水泳部の顧問だっただけに、ここはプール施設に行ってみる。山内先生は水泳部の顧問としては優秀で、短期間に水泳部を全国クラスへと育て上げた実績があった。
「じゃ、ちょっとだけ……」
とプールを覗いてみる。それにしたって、このプール施設は一高校の部活に使うにはあまりにも立派でした。聴き込みのために部室へ。橘さんが山内先生の名前を出しただけで場の空気が緊張。追い出されそうになったところで俺にバトンタッチ。
「新聞部なんですけど……」
と名乗ってみたが、そんなものはうちの学園にはないと言われてシャットアウト。
次に図書室へ。今年の卒業アルバムを見るためだった。それでさっき部室にいた水泳部の部員の身元をチェックするというわけだ。しかし、彼女の目的はそれだけではなかった。俺に宿題のノートを差し出してきた。断ろうとしたが、やはり例のネタで脅してくる。このまま卒業まで、俺は彼女の言いなりなのだろうか?仕方なく英語のノートをとる。と、そこに先ほど部室にいた部員の一人である藤崎双葉さんがやって来た。部室でも俺達に何かを言いかけて制止されていました。
「……助けてください……」
彼女は怯えた表情でそう呟いた。そして、他の生徒が図書室に入ってくると、中庭で待っていると告げて足早に出て行きました。少し迷ったが、やっぱり待ち合わせ場所に行こうということになった。

部屋に戻ると、ドアに紙切れが挟まっていた。不吉な予感と共に神を広げてみると、そこには「3」という数字が書かれていた。その後、橘さんも自分の部屋に戻って「3」と書かれた紙切れを持って帰ってきた。今後のことを2人で話し合う。橘さんは、これは犯人からの脅迫だという。そして、それは俺達が犯人に近づいていたという証拠でもあると。つまり犯人は、水泳部の中にいる。あの5人の中に。

今日は別々に聞き込みすることになった。転校してきたばかりだし、見ず知らずの人と話すのは苦手だが、橘さんに強引に押し切られてしまった。仕方なく、校内に聞き込みに行く。とりあえず、手前にいる女の子に話を聞いてみたら、橘さんの友人だった。名前は大見優子。彼女によれば、藤崎さんが山内先生からセクハラを受けていたという噂があるらしい。再び校内に聞き込みに行く。教室に誰かいるかもしれない……と、教室に入ろうとしたら、出会い頭に女の子とぶつかってしまった。散乱したノートに「石井伊都子」の名前が書かれていた。あの水泳部5人組の1人です。彼女の友人らしい。石井さんについて聞いてみると、どうやら冬休みの合宿明けから急に部活に行かなくなったようです。
捜査を終えて部屋に戻る。橘さんと情報を交換して今日はお開きとなった。夜中、大慌てで橘さんが部屋にやって来た。藤崎さんが殺されたと言うのだ。現場のプールに行くと、藤崎さんは虚ろな瞳で天井を見つめながら水に浮いていた。そして、遺体の側には「0」と書かれた紙切れが浮いていました。そこへ水泳部の仲間もやって来る。この4人の中に犯人がいるはず。怒りの表情を浮かべて、そこへ歩き出そうとする橘さんを俺は無言で止めた。部屋に戻ると、ドアの隙間に「2」と書かれた紙切れが挟まっていた。

新たな事件が発生し、学校の臨時休校は更に2日延長。俺達にチクったことで殺された藤崎さんのことを想うと気が滅入ってしまう。橘さんも最初は浮かない表情をしていたが、気を取り直して捜査続行を宣言する。
「そうだね」
と、俺も覚悟を決めた。橘さんは、藤崎さんが言っていた「ある事件」が鍵だと言っている。俺も同意だが、それをどうやって聞き出そうか?というのが問題であった。誰に当たってみればいいのか、橘さんが俺に振ってきた。待ってましたとばかりに、部長の浅間ひとみさんを提案する。彼女の責任感の強さに賭けてみた。賭けは成功した。ある事件とは、山内先生による石井伊都子さんへの暴行事件であった。事件を明るみにしたくない石井さんの願いもあって、彼女たちはせめてもの報いをと、死神の呪いをかけたのでした。
気は重かったが、ここは石井伊都子さんに聞き込みをせざるを得なかった。図書室で石井さんを見つけ話しかける。しかし、さすがに普段は遠慮の欠片もない橘さんも口が重い。橘さんがやっと本題を切り出そうとした時、図書室のドアが開いた。別の部員の岸本実穂さんだった。そして俺達を非難して、石井さんを強引に連れ出していった。その際、石井さんは引っ張られた腕を酷く痛がっていました。何かありそうです。仕方なく部屋に戻ると、ドアの隙間に「1」と書かれた紙切れが挟まっていた。そこへ橘さんも飛んできた。どうやら同じものが彼女の部屋にもあったらしい。これは俺達が確信に近づいているということでもあり、それと同時に危険が増したということでもある。
「……これからは離れない方がいいかもしれない」
と提案してみるが、さすがに寝るのは別々でした。

「恵くん、大丈夫!?」
橘さんだった。橘さんは俺に近づくといきなり平手打ちをかます。正に死人にムチを打つ行為。俺は完全に気を失った。

「……捜査、やめましょ」
いつになく弱気になっている橘さん。
「大丈夫だから。」
陳腐ではあったし、何の根拠も無かったが、今はこんな事しか言ってあげられなかった。橘さんらしくないと指摘したら、俺から見て自分はどんな人間なのかと聞かれたので
「真面目……かな」
と答える。一度やると決めたら最後まで貫く一直線な人間だと。橘さんの顔に笑顔が戻った。
と、そこに橘さんの携帯電話が鳴ったが
「……やっぱり尚人さんか……」
と言って切ってしまった。
「尚人さんって誰?」
と聞いてみたが
「気になる?」
とおちょくられた。そして、返答しないままに、俺がこの学園に転校してきた理由を尋ねてきた。俺は小さい頃から勉強ばかりを強いられてきた家庭環境、そしてクラスメイトに陥れられカンニングの罪を着せられたこと、それで周りの見る目が一変したこと、勝手に退学届を出して親と大ゲンカした挙句ここに転校してきたことを話した。
「でもよかったじゃない」
橘さんは思ってもいなかった言葉をかけてきた。きっかけはどうあれ、やっと自分自身の人生を歩み始めたんでしょと。そこに再び尚人とかいう男から電話が。橘さんはヤレヤレといった表情で、すぐに留守電に切り替えた。どうやら義理の兄の弟、義兄弟らしいのだが、分刻みでメールを送ってくるストーカー野郎でした。

朝早くに、水泳部の長山さんと岸本さんが寮の階段を上って行った。追いかけてみると、向かった先は石井さんの部屋。そこにはすでに浅間さんがいる。部屋に鍵がかかっており、中から返事も無いのだと言う。
「橘さん!」
俺は、橘さんに部屋の鍵を取ってくるよう促した。俺に気付いた長山さんから、石井さんが事件の犯人だったと聞かされる。本人から、罪を告白して自殺を予告するメールが届いていたのだ。橘さんが鍵を持って戻ってくると、浅間さんはそれを奪い取るように受け取って急いで鍵を開けた。中に入ると、そこには首をつった石井さんがいた。自らの罪を告白する遺書と共に。
部屋に戻って橘さんと話し合う。彼女は石井さんは自殺ではないと主張した。前日に会った時、彼女はテスト勉強をしていた。もうすぐ自殺する人間が勉強なんてするわけがないと。勿論根拠はない。そこで橘さんは、尚人に電話をした。彼はかなりのミステリーオタクらしい。そして、首吊りを完璧に偽装する「地蔵背負い」という方法があること、何か心理トリックを使われているかもしれないことをアドバイスされた。俺は、石井さんが腕を酷く痛がっていたことを思い出した。もし、彼女が利き腕を怪我していたなら、遺書は書けなかったはずである。早速石井さんの部屋を操作すると、昨日勉強していた時に使っていたノートが見つかった。その文字はいびつに歪んでいました。どうやら、橘さんの勘が当たっていたようだ。

この瞬間すべての謎が繋がった。犯人は浅間ひとみだった。石井さんの部屋を開けた時、鍵がかかっていることを確認していたのは浅間さんしかいなかった。俺達は全員、彼女に部屋の鍵がかかっていると思い込まされていたのである。尚人さんが言っていた心理トリックというやつだ。しかし、彼女にも「1」と書かれた紙切れが届いていた。彼女もまた狙われているのだ。
俺は橘さんを連れて浅間さんの部屋に急いだ。中から彼女の悲鳴が聞こえた。ドアを開けると、そこにはナイフを握った岸本さんがいた。
「やめてください!」
そう叫んで、橘さんが岸本さんを抑えつける。彼女は石井さんの敵を討とうとして、こんな真似をしでかしたのでした。

「いいかげんにしろよ」
俺は思わず声を荒げる。
「石井さんの部屋を調べて、もう全部わかってるんですよ。アナタに弁解の余地はないんです」
「な、なにがーー?」
「英語のノート」
「……それがどうしたっていうの!?抜けてたからってなんでーー」
「抜けてたーー?」
ハッとする浅間さん。ホント抜けてますw。その会話は橘さんがしっかりと録音済み。そして、語られる犯行の動機。彼女は山内先生を愛していた。しかし、先生からは相手にされず、そこに石井さんの暴行事件。彼女は二人の殺害を決意した。そして、「死神伝説」を利用して石井さんを犯人に仕立てるシナリオを作ったのだった。藤崎さんは、自分を疑い始めたので殺した。予定外の殺人はあったが、ほぼ計画通り事が運んでいたが、石井さんの腕のケガで全てが台無しとなったわけだ。
「……まさかケガしてたなんてね。死んでまでも、憎らしい子……」
それを聞いた岸本さんが浅間さんを平手打ち。どうやら、石井さんのケガの原因は、浅間さんが足をつって溺れかけていたのを助けたのが原因だったが、浅間さんが気にするから内緒にしていたようだ。泣き崩れる浅間さん。名探偵コナンのようなオチです。

その後も俺は此花学園に通っている。橘さんが根回ししてくれたからだ。橘さんの父親は、何と現役の文部大臣だったのである。しかも、政治家である俺の父親とも知り合いで、簡単に話をつけてしまったようだ。政治家として完全に格下の俺の父親が逆らえるわけもなかった。しかし、新聞部については親の力は使いたくないらしく、今も正式には認められていないのだとか。
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