カナリア ~この想いを歌に乗せて~ 佐伯綾菜編 前編
カナリア ~この想いを歌に乗せて~(元記事)
「カナリア ~この想いを歌に乗せて~」をストーリーを追いつつプレイ。
「知ってる?1年おきに脳を作りかえる鳥。」
などという気味の悪い出だしでゲームが始まった。脳を作りかえる事で、新しい歌を覚えるとか何とか。
5月20日

俺、八朔洋平(ほづみようへい)は、親の仕事の都合で東京から四国に引越してきた。荷物の中から見つけた懐かしい本を読みふけってしまい、部屋の片付けもままならないままに夕方に。
「もう、お兄ちゃん、何ボケっとしてんのよ!」
そこへ二つ年下の妹、絵理がやって来て兄貴をたしなめる。夕食のために呼びに来たようだ。夕食作りは絵理の役目だった。母親はいつも家にいない。両親は東京のフィルハーモニーに所属していたのだが、突然恩師の誘いで四国の楽団の指揮者に誘われた。ただ、この土地には親戚のおじさんがいて、よく遊びに来ていたので知らないわけでもない。夕食後、部屋に戻って後片付けを再開。そこに絵理がまた入ってきた。片付けを手伝ってくれるようだが、見返りを求めている。
「わかった、何が欲しいんだ?」
と聞いて、ケーキで手を打つ。その場は絵理に任せて、俺はお風呂に入ってゆっくりとしていた。

昨日おじさんの経営する楽器店で出会った女の子の事を思い出す。バンダナと眼鏡の男二人と一緒に、2人の可愛い女の子がいたのだが、俺はロングヘアーの方の少女に目を奪われていた。おじさん(おじさんといってもミュージシャン風の容貌をしていて見た目は若い)の話では、あの4人組はこの店にあるスタジオでバンドの練習をしているようで、俺が転校する琴平学園の生徒らしい。ロングヘアーの子は「佐伯綾菜」という名前でした。4人の先輩でもある従姉妹の千秋さんによれば、彼らはボーカルがちゃんと決まらなくて困っているらしい。軽音部に入るなら、部長の純君ってのに話してあげると千秋さんに言われたので、お願いしておいた。風呂から出て部屋に戻ると、ダンボールの山はすっかり片付いていました。
5月21日

転校初日。妹に叩き起こされて登校するダメ兄貴。校長先生に挨拶を済ませると、担任の矢萩祐治先生を紹介された。ノリの軽い体育教師だ。教室に入って転校の挨拶を済ませ、空いている席に座ろうと何気に教室の隅を見たら、あの女の子が同じクラスにいるではありませんか。俺は大声を上げそうになるのをグッとこらえた。授業中も彼女のことばかり考えていて、授業も全く身に入らない。授業が終わると、いきなり佐伯さんに声をかけられた。俺が軽音部に入る事を聞いていたからだ。佐伯さんは俺と同じくギターをやっているようです。放課後になって、佐伯さんに案内されて部室に行くと、そこにはシンセサイザーをいじっているメガネ男、部長の澤崎純がいた。唯一の3年生ということもあって、バンドのリーダーでもある。その後、ドラムをやっているもう一人の美少女片桐美香、ベースをやっているバンダナ男の杉山良太がやって来た。この二人も同じクラスなのだが、今日はライブハウスに偵察に行って学校をさぼっていたそうだ。良太のバンダナの下はスキンヘッドでした。実家がお寺だからなんだと。しかし、部長は先輩なのに扱いが酷すぎます。4人は歓迎を兼ねて即興で軽く演奏した。想像以上の上手さに俺は感嘆の声をあげた。
5月22日

学校へと向かっていたら、美香がやって来た。自転車通学なのでヘルメットをしていた。
「格好いいな」
と皮肉を込めて褒めてやったら、自転車の前輪で足を思いっきり踏まれてしまいました。今日は学校が終わってから、美香の家で俺の歓迎会が行わる事になった。家に帰ってから絵理にうっかり歓迎会の事を話してしまい、一緒に行くと言い出してきかないので、仕方なく連れて行くことに。言われた住所には、「囲炉裏庵」という名前のうどん屋さんが建っていた。中に入ると、和服姿で美香が接客していた。それを見た絵理はえらく気に入ってしまい、キャーキャー言いながらうどんの手打ちを見に、美香と一緒に店の奥へと消えていった。

「ねえ」
突然声をかけられたが、店内に人はいない。
「こっちだってば」
よく見ると、俺が座っている座席の先から頭が半分だけ出ていた。見た目は子供なのだが、声は完全に大人だし、話す内容も大人。矢萩せな、4歳だった。この4歳児も攻略対象だから恐れ入る。
「もう、おとこのぬくもりをかんじてねむりたいよるもある、そんなねんれいよ。」
とかぬかしてます。
「せな、あんまりだよ、パパにイスになれだなんてあんまりだよぉ~。」
すると机の下から矢萩先生が半べそかきながら出てきた。どうやら、この4歳児は矢萩先生の娘さん。超の付く親バカです。矢萩先生は軽音部の顧問という事でここにいるみたいですが、せなちゃんが見たいテレビがあると言うのを聞くと、歓迎会を放って帰ってしまいました。その番組というのが、アメリカの麻薬中毒患者が社会復帰するまでのドキュメントだそうで。

その後毎度遅れる良太を待たずに歓迎会は始まり、そしてお開きというところで良太がやって来た。アメリカの麻薬中毒患者が社会復帰するまでのドキュメントに夢中になって遅くなったのだとか。家に帰り、明日スタジオで練習する曲の楽譜を渡されていたので目を通してみたが、かなり本格的で難しい曲だったので、これはマズイと夜遅くまで練習する事になりました。
5月23日

今日はスタジオで練習。練習の甲斐もあって、どうにか演奏に付いていく事は出来た。転校早々、明日からは中間テストがある。部長に大丈夫かと聞かれたので
「もちろん楽勝です。」
と調子をこく。そう言いつつ帰ってから勉強するつもりだったが、練習で疲れていたため速攻で寝オチ。
5月24日

朝、校舎の前で綾菜にばったり。昨日勉強していたので眠いみたいです。昨日はちゃんと勉強できたのかと聞かれたので
「寝ないでやったんだよ!」
と嘘ブクが、そこに現れた美香によって、その嘘はすぐに看破されてしまった。寝癖のついた髪の毛を指摘されて観念する俺だったが、実は寝癖など付いておらず、美香にカマをかけられていただけでした。テスト初日は大惨敗だった。
5月25日

初日の反省を活かして、しっかりと勉強してきた筈だったが、テスト2日目も大惨敗……
5月27日

中間テストの答案用紙が返ってきた。3点だった俺の答案用紙を見て馬鹿にする美香となぐさめてくれる綾菜。しかし、下には下がいた。良太は2点でした……。月曜日は部会があるという事で、放課後に部室に集合したが、ロクに話し合いもせずに解散となった。千秋さんが勉強を見てあげると言っていた事を思い出し、テストのあまりの出来の悪さもあって、帰りに新城楽器に寄って千秋さんに家庭教師を頼む。空いている時間に千秋さんの部屋で勉強を見てもらう事になりました。
5月28日

参考書を買いに商店街へと繰り出す。とりあえず、参考書には目もくれずに成年向け雑誌を手に取る。そこには「純情メイド恥じらい物語」というエロ小説が載っていた。それを食い入るように読んでいたら、隣で主婦が白い目で見ているのに気付いて
「え、えーと、兄貴に頼まれたのはこの本だっけな?」
とわざとらしく大きめの声でしゃべって誤魔化した。続きが気になったので、その雑誌を持ってそそくさとレジへ進んだが、そこで大量の本を抱えた店員さんとぶつかってしまう。何とその店員さんは綾菜でした。制服にエプロンで目の保養を楽しみつつも、手に持っている雑誌を気付かれてすかさず隠す。そして、綾菜がレジに行っている間にそれを放り投げ、適当な参考書を棚から抜き取った。レジから戻ってきた綾菜は、俺が千秋さんに家庭教師をしてもらう事を聞いて知っており、ちょっとジェラってました。
5月30日

商店街で綾菜にバッタリ。ウインドウショッピングをしているらしい。
「こんなボロい商店街で?」
とバカにする俺に、田舎には田舎なりの楽しみがあると反論する綾菜。しかし、具体例を求められた綾菜は答えに窮するのでした。
6月3日

放課後は月曜日恒例の部会。学園祭で演奏する楽曲について討論していたが、遅れてやってきた良太から校舎に犬が迷い込んでいるという情報を聞いた美香は、二人で慌てて飛び出していってしまいました。綾菜も見に行きたいというので、俺も一緒に部室を出る。一人取り残される部長……
6月4日

綾菜の顔と音楽雑誌を目当てに本屋へ寄ってみたが、目的の物は両方無かった。仕方なく帰ろうとしたら、綾菜に声を掛けられました。俺に気付かれないように観察していたようです。エッチな本を立ち読みしていたのもバッチリ観察されていたようで……
6月6日

本屋から綾菜が急に飛び出してきてぶつかりそうになった。バイトの後どこかに寄って行こうと誘ってみたものの、今日はお店の棚卸しがあるのでダメでした。
6月7日

昼休みに良太が昼飯のパンをおごってくれるという。午後は授業をさぼるので、その代わりノートを後で写させて欲しいという魂胆でした。部室で待っていたが、良太は何も持たずにやって来た。後輩に頼んでおいたとか言っています。そこへ元気な女の子がやって来たが、部室の前で思いっきりこけています。この子は演劇部に所属している星野麻衣ちゃん。姉が軽音部のOGという事で、顔見知りらしい。しかし、肝心のパンは、さっきこけた時に潰してしまったようです。しかも、俺のヤキソバパンだけを。
6月8日

今日の昼休みに、良太がバンドのボーカルとして立候補してきた。猛反対する美香でしたが、二人でカラオケボックスで勝負する事になってしまう。良太が勝てばバンドのボーカルとして認めるという話だ。そして、そのジャッジを俺が押し付けられたのである。美香が猛反対するのには、良太が音痴だという以外にも理由があった。他に歌わせたい人がいるのだとか。
6月9日

今日は美香と良太のカラオケ対決。カラオケボックスが初めてだという良太は妙にハイテンションだった。カラオケの点数対決の結果は98-4と圧倒的大差に終わった。良太は美香の言っていた通りの酷い音痴だったが、美香のプロ級の上手さには驚かされた。しかし、美香は目立つのは嫌いで、やはり歌わせたい人がいるようです。勝負もついたので、その後はみんなでカラオケを楽しんだ。そろそろお開きというところで、美香にもう一曲リクエスト。美香は恥ずかしがりつつも、ノリノリで熱唱した。良太と別れた後、俺と美香は夕焼けの海辺へと繰り出した。そこで美香が歌わせたい人物について聞いてみた。やはり部長でした。どうやら、美香は部長にホの字のようです。
6月11日

良太が休み時間にニュースを持ってきた。最近商店街に弾き語りをする女が現れるのだが、歌が上手くてすごく可愛いらしい。美香もその女性を知っているようだが、かなりの乱暴者だという。美香の男友人が、演奏を聴いて金を払わなかったら殴られたそうだ。ということで、良太と一緒にその女性をチェックしに行く事になった。確かに可愛いし演奏も上手い。演奏が終わると、見物人がギターケースに金を投げ入れていたので、俺達も入れてあげた。その後、その女性とちょっと話をした。名前は茅ヶ崎めぐみ。しかし、噂通り性格には難有りのようです。
6月14日

学校へ行くと、放課後部室にこっそり来て欲しいと綾菜に言われた。放課後に部室に行ってみたが、今度は誰かに見られたくないからと、教室に来てくれるように言われました。俺はポジティブな妄想をしながら教室へと向かった。夕日の差し込む教室でしばらく待っていたら綾菜が来た。俺が呼び出された理由は、俺が妄想していたものとは違っていた。素敵なフレーズを思いついたから聴いて欲しいという事でした。二人でそのフレーズを弾いていたが、突然綾菜に、呼び出されたからドキドキした?と図星を突かれてしまった。顔が赤いと指摘されたが、夕日のせいで赤いのだと誤魔化しました。
「だって、私と一緒でドキドキしてくれてるのかと思ったんだもん……」
ちょっと残念そうな綾菜の顔は、真剣な顔で俺を見つめていた。
6月16日

今日は絵理のピアノの練習に付き合わされた。感想を聞かれ
「あまり、ピアノのことはわかんないけど、うまいんじゃないのか」
と、気のない返事をする。そんなんじゃ女にもてないと指摘された。
6月17日

今日の部会では、学園祭で演奏する曲について話し合っていたが、美香はうどんを世界に広める歌、良太は寺を世界に広める歌を提案し、まるで真剣みがない。綾菜も犬の歌を提案し、俺は何でもいいとやる気なし。結局学園祭でやる曲については、部長に一任されたというか、押し付けられたと言う方が正しい。数日前に、最後だから部長に歌って欲しいと真剣に語っていた美香はいずこへ?
6月22日

今日は体調の悪い美香。店が忙しいのに、母親も寝込んでいて大変そう。店に手伝いに来て欲しいと、美香に頼まれてしまいました。
(つづく)
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