黒の断章 (3)
最初から読む
4月26日
涼崎達は、杜松と希を追ってアメリカへと渡った。メンバーは、涼崎、草薙、明日香、遥の四人。
画面×3→建物×2→建物の入口
向かった場所は、メイン州のリヴァー・バンクス。涼崎は六年前の事件の調査でここに滞在していたことがある。事件については未だに思い出せない涼崎ですが、草薙によれば、ここで涼崎の恋人と明日香の両親が殺されたという。そして、涼崎が犯人の可能性もあると。明日香は事件については知りません。しばらく車を走らせると目的の屋敷「ヘルズ・ハーフエイカー」に到着した。中で涼崎達を出迎えたのは、酔っ払った老人だった。
ルイスの口×2→ビルの口×3
老人に呼ばれて、この屋敷の主人が登場。その大男は、かつて涼崎の相棒だったビル・トージアでした。彼は地元紙の記者で、6年前の事件で情報屋として涼崎と組んでいたのだ。そして、ビルも6年前の事件について記憶を失っていた。希の手掛かりが掴めなかったショックで、遥は倒れてしまった。涼崎達は、この屋敷に泊めてもらうことにする。
6月28日
涼崎と草薙は、明日香達の部屋を訪ねる。
涼崎の口×2→アクアマリン→明日香の口×2→遥の口×3
遥の体調はまだすぐれない。涼崎はそんな遥を勇気付けた。そして、四人で朝食のため食堂へと向かう。
ビルの口×5→明日香の口(はい)→明日香の口(図書館)
ビルの断片的な記憶によれば、事件の直後、涼崎とビルは町外れの廃教会にいたらしい。そして、町立図書館へ行けば、六年前の事件について調べることができるだろうと。涼崎達は、体調の悪い遥を置いて、まずは図書館へと向かった。
図書館は、魔術だののオカルトに関する書物が多く陳列されていた。
本棚→シンディの口→シンディのアクアマリン→シンディの口×2→書物『屍食教典義』(階段脇)→書物『ロガエスの書』(右側の棚)→本棚→涼崎の口×3
そこへシンディ・デ・ラ・ポーアという司書の女性が現れた。胸元には明日香と同じアクアマリンが。いかにも怪しい。「ベルテインの夜」について調べることになった草薙が書物を物色していたら、表題も著者も不明な怪しい書物を発見した。それは儀式の最適の日時を記したカレンダーのようなもので、一番最後のページには、消えかけたペンで「1822年4月31日」と書かれている。草薙は「ベルテインの夜」についての記述を見つけた。「5月1日の前夜」とある。ヘルズ・ハーフエイカーについて調べていた明日香は、かつての持ち主だったハーバート・ウエストという人物に行き当たるも、その人物については、1940年代にこの地にやって来たということ位しか分からなかった。六年前について調べていた涼崎も、いろいろ収穫があったようです。涼崎は六年前にここで杜松と会っていたようだ。草薙によると、涼崎はある大学の依頼で、明日香の両親の捜索をしていたらしい。そして、行き着いた場所がヘルズ・ハーフエイカーだった。それが六年前の4月30日のこと。事件の容疑者となった涼崎とビル。もう一人の容疑者だった涼崎の恋人ノーラは、後日血痕が見つかり、鑑定により死亡していると断定された。しかし、遺体は発見されていない。実は生きてるって展開かも。
一行は廃教会へと向かった。
マイケルの口×6
そこでは、教会の神父らしき黒人男性が演説をしていました。新興宗教の教祖のような感じ。それを聞いている信者達も熱狂している。彼の名は、マイケル・マクシミリアン。こいつも相当に怪しい。神父の話から、ベルテインの5月1日というのが旧暦であることが分かる。
ハーフエイカーへ戻る。
ビルの口×4→エイミーの口×3→ビルの口
涼崎は、六年前に杜松に会っていた事をビルに話すが、ビルは思い出せない。しかし、ビルは何かの光を見たことは覚えていた。そこへ男女が現れた。女性はエイミー・マクドゥガル、男性はクラーク・アシュトン。エイミーは涼崎に気のある素振りを見せる。いい気のしない連れの男性と明日香。ビルによれば、現在この屋敷にいるのは、この男女と昨日出会った酔っ払いの老人ルイス・ウェルダイク、そしてもう一人、ドイツからこの辺の地質を調べに来ている学者カール・アイヒマンの四人だそうだ。
涼崎の口×3→ドア
部屋に戻った涼崎と草薙。涼崎が、魅奈が死ぬ間際に語った「黒の断章」について語る。涼崎はオカルトで知られているミスカトニック大学から、明日香の両親の捜索を依頼されていたが、柏木夫妻はこの地で「黒の断章」を発見したという連絡を大学に送った直後に行方不明になっていた。大学の蔵書の中でも最も希少な書物に「ネクロノミコン」という禁断の魔術書がある。そして、訳者が自分に必要な部分だけを抜き出した断章もあり、その中でも幻の章と言われる第十四章で構成されたものが「黒の断章」というわけだ。第十四章はミスカトニックに保管されているネクロノミコンでも欠落している章である。そして、それを持っているのが杜松であろうと、涼崎は推測した。
ビルの口×2
食堂に行ってみるが、ビルが涼崎を明日香のことでからかっただけ。
ルイスの口×3→ルイスの目×2→ルイスの口×2
ルイスの部屋へ。第二次世界大戦の頃。子供だったルイスがよく遊んでもらっていたジャックという近所の男性が、ドイツの前線で瀕死の重傷を負って帰ってきた。医師から三日も持たないとさじを投げられた彼は、その日の内に姿を消してしまった。しかし、その人物が一週間後に現れて、人間や家畜を殺しまくったというのだ。ジャックは、ルイスに襲い掛かったところで射殺された。しかしルイスによれば、体中をハチの巣にされたジャックの体からは血が出ていなかったのだという。そして、ジャックに襲われたのが、この屋敷の裏の森だったと。
続いて学者のカール・アイヒマンの部屋へ。
カールの口×3→画面×2
メイン州にある太古の遺跡について御高説を賜る。
涼崎は、明日香と草薙に席を外してもらい、遥と二人で話をした。
明日香の口→ベッド×3→窓→遥の口×2→遥の体
敢えて全ての事を話す涼崎。涼崎も苦しんでいることを知った遥は
「このまま…同情でいいですから…抱いて…くれませんか」
涼崎は遥をなだめて事なきをえた。ちっ
部屋を追われた草薙と明日香は食堂へ。
ビルの口→画面→涼崎の口×3
明日香のやけ酒にみんなで付き合わされた。酔いつぶれた明日香を背負って遥の部屋へ運ぶ草薙。その途中、アイヒマンらしき人物を見かけたがスルー。遥は吹っ切れた感じで元気が出たようです。
画面→エイミーの口×2→クラークの口→クラークの体
夜中にエイミーが部屋にやって来た。エイミーは、涼崎を騙して自分の部屋まで誘い込み
「日本人のアレも教えて欲しいの…」
と誘惑。かつての恋人ノーラを思い出し心揺れる涼崎だが、明日香のことを思い出して当然のごとく断る。それでも諦めないエイミーに、いやどうしよう…と、さすがに揺れる心。それを見透かしたエイミーは、涼崎に馬乗りになった。そこへ、クラークが登場。その隙を突いてエイミーから離れ、涼崎は部屋へと無事戻ったのであった。ちっ
4月29日
朝早くに地元の保安官パーキンス・ギブソンが訪ねてきた。涼崎とは六年前の事件で因縁がある。
パーキンスの口×3
どうやらルイスの爺さんが酒場でポックリ逝ってしまったらしい。いつもは静かで面倒を起こさないのに、昨日は様子がおかしく、「地獄には近づくな」を連呼して叫んでいたという。
ビルの口×3→ドア
亡くなったルイス爺さんの部屋へ行く。中にはビルがいた。少し寂しげだった。ルイスは自分がジャックのようになるのを恐れ、土葬が主流のアメリカで火葬の用意をしていた。よほど恐れていたのか、アル中のくせに、その費用にだけは全く手を付けなかったという。
ビルの口→エイミーの口×2→ビルの口→教会
朝食のために食堂へ。そこへエイミーとクラークが。涼崎に言い寄るエイミー。明日香が不機嫌になるのはいつものことだが、遥にも心情の変化が見て取れた。
まずは教会へ。
マイケルの口×2
神父がまた演説していた。神父にルイスのことを話す。何だか、こちらの状況を知っていて愉しんでいる様子でした。
本棚→シンディの口×3
図書館へ。まずは、ハーフエイカーの元の所有者だったハーバード・ウェストについて調べた。彼はミスカトニック大学の医学部の出身。第一次世界大戦時には軍医として従軍。帰国後しばらくして失踪した。彼は医学として死体の蘇生を研究していたようだ。当時彼がいた場所の周辺では、様々な死体消失事件も起きている。失踪していた彼がこの地に現れたのが、第二次世界大戦の勃発した1939年。あの屋敷はそれ以来「ヘルズ・ハーフエイカー」と呼ばれるようになった。そして、1950年に屋敷内で死亡しているウェスト博士が発見された。死因は心不全。彼には助手がいたが、その男は行方不明となっている。ミスカトニック時代のウェスト博士の写真もあった。そして、博士の隣に杜松らしき姿も写っていた。年代的にはあり得ないことだが、不老不死の薬か……
シンディに「黒の断章」について尋ねてみると、カール・アイヒマンも一週間前にハーフエイカーとネクロノミコンについて調べていたそうだ。シンディによれば、ネクロノミコンの第十四章というのは、死体蘇生についてのことだった。そして、その儀式の触媒として「処女の血」が必要なのではないかという。それで希が選ばれたのでは?というわけだ。草薙がもっと早くやっちゃっていれば……
屋敷に戻ってルイスの部屋へ行くとビルがいた。
画面→ビルの口
ビルは過去を思い出して興奮していた。六年前の事件はこの部屋から始まったのだと。そして、部屋の隅には隠し階段があった。涼崎にもかつての情景が蘇っていた。ベッドで乳繰り合うノーラと涼崎。そして、ノーラは自らを犠牲にして、ビルと涼崎を逃がした。ノーラの胸元で何かが光っている。涼崎は気を失った……
涼崎が目覚めると、目の前には明日香がいた。
画面→明日香の口×2→明日香の目×3→明日香の口→明日香の体→明日香の口
時間は深夜の0時。明日香に、エイミーとクラークとアイヒマンの三人が行方不明になっていること。そして、アイヒマンの勤め先のベルリン大学に問い合わせたが、そんな教授はいなかったことを聞かされた。涼崎はノーラの一件があるので、明日香に地下室への探索には加わらないように言うが、明日香はそれを受け入れない。涼崎は全てを打ち明けた。ノーラのことを、明日香の両親があの地下室で死んだことを。しかし、明日香はそれでも行くといって聞かない。涼崎は明日香を抱き締めた。明日香は両親と同じ目にあわせたくないから、という理由では納得できないと言う。
「オレはお前が好きだから、だから危険な目にはあわせられない。」
「ーーこれくらいだったら…考えてもいいョ」
そして
「私…私、お兄ちゃんが好き。」
自分のことが好きなのかどうかと明日香に聞かれて戸惑う涼崎だが、明日香はYESかNOかと問い詰めてくる。
「認めたくないが…YESらしい。」
そして
「……お兄ちゃん……抱いて」
六年前に養子として引き取っているので、この二人は法的には親子ですが、そんなことはもう関係なかった……(家庭用なので自粛)
4月30日
いよいよベルテインの夜の当日となった。
ビルの口→画面
地下へと突入するが、結局、明日香も行くようです。ここからはダンジョンでの移動になるが、基本一本道です。脇の部屋に入ったりするとイベントが起きたりもしますが、必要はありません。強いてあげるなら2本目の分かれ道。どっちに行っても同じですが、広い場所に先に進む通路があるのでお見逃しなく。
長い地下通路を歩き続けた一行は、途中で一度休憩した。
画面→画面→カールの口→カールの目×3→カールの口
既に突入から七時間もの時間が経過していた。涼崎はそこで蛸の巻き付いた赤ん坊の像を見つける。涼崎が悪夢の中で見ていたものだ。その蛸は足が七本しかない。涼崎はクトゥルー神話に出てくる七本足で蛸のような頭部を持つ邪神クトゥルーを思い出していた。その先に扉があった。そしてそこにはエイミーの変わり果てた姿も。一行が中に突入しようとした時
「下がった方がいいぞ」
後ろから誰かが声をかけてきた。アイヒマンだった。アイヒマンに指摘されて扉の付近をよく見ると、クラークもそこにいた。しかし、その容姿はおぞましく変貌していた。怪物の姿に。アイヒマンによれば、知能はほとんど失っており、扉を通る者を襲うように洗脳されているとのこと。アイヒマンは興奮している。オカルトの軍事利用に使えると。やばい組織の人間だったようだ。時間もなく、一行は全員で扉に一気に飛び込むことにした。一種の賭けであった。怪物が明日香に襲い掛かったが、それをビルが食い止めた。ビルを一人残して他の者は扉の中へ逃げ込みました。扉の向こうで親指を立てながら暗闇に引きずり込まれていくビルが実にかっこよかった。
「予想より早い御登場だ」
扉が閉まると、誰かが語りかけてきた。祭壇のような壇上で、白衣に身をまとった杜松が笑っていた。その背後には希がロープに吊るされている。意識はしっかりしているようで、遥の問いかけにうなずき返しています。
画面→杜松の口×3→書物『黒の断章』→杜松の口×3→カールの口→杜松の口×2→涼崎の口→涼崎の顔→涼崎の手→涼崎の煙草→涼崎の口×2→画面
杜松の口から告げられる真実。二年前、ハーフエイカーにある学者夫妻がやって来た。その学者の名は冬川正史。そう希の父である。その夫妻は、当時杜松の身体を乗っ取ってまだ生きていたウェストに捕まり、研究材料にされたのだという。訳がわからないが、どうやらウェストは死んではおらず、死期が近づいた時に、仮死状態にしてあった助手の杜松の体に乗り移っていたらしい。肉体の移転には日本人なら日本人が好都合らしく、それで日本人を狙っていた。六年前に狙った明日香の両親は、涼崎とビルのせいでうまくいかなかったが、二年前に冬川の体を手に入れることができた。しかし、そこでミスがあったらしく、冬川とウェストの人格が、肉体の中で混濁してしまったのだという。
すると祭壇の奥からもう一人の人物が現れた。ゾンビと化した希の母・冬川亜希子であった。どうやら、冬川とウェストの人格が拒絶せずに融合できたのは、完全な死体蘇生の研究という同じ目的を共有できたかららしい。そして、亜希子の完全な蘇生に必要なのが希だったというわけだ。最後には亜希子とも融合し、完全なる家族を目指すのだと。アイヒマンは興奮していた。どうやらアイヒマンはナチスの残党だったようです。そして、ヒトラーの再生と不死の軍団を目指していると。力を貸してくれるように頼むが、杜松は興味がないようだ。逆に邪魔だからと、亜希子に命じてアイヒマンを襲わせる。圧倒的な強さ。涼崎も杜松に向かっていくが、ゾンビ化した亜希子にあっさりと跳ね返された。ゾンビというとノロノロ歩くイメージだが、完全なゾンビというのは物凄い俊敏なようです。全く歯が立たない。
涼崎が何かを思い出そうとしている気配を察した杜松は、亜希子に涼崎を襲わせる。明日香がかばって前に出たその時、明日香の胸元が光った。これはノーラと同じ光。光の正体はアクアマリンでした。それと同時に声を失っていた希が叫んだ。
「お母さん!やめて!!お父さんも…やめてぇっ!!」
亜希子がそれにピクリと反応する。涼崎は思い出した。このアクアマリンの光にゾンビは弱く、この光を浴びたゾンビは火に弱いということを。草薙は涼崎に言われるまま、拾った涼崎のジッポを杜松に投げつけた。全身火だるまになりながら、亜希子に命令を送る杜松だったが、亜希子は首を横に振った。
しかし、それを見た杜松は嬉しそうだった。燃えながら、亜希子と希にヨロヨロと近づくと
「亜希子…よかった…これで家族が…家族が揃う…。希…お父さんとお母さんは帰って…来…た」
と笑顔で言いながら力尽きた。最後の瞬間、杜松はウェストではなく冬川正史になっていた。遥に助けられた希は、母親に近づこうとするが、ゾンビの亜希子は来るなという素振り。そして、祭壇の右側にある窪みを指し示した。そこには隠し通路があった。亜希子を残して、皆通路に逃げ込んだ。ノーラの最後の言葉を思い出す涼崎。
「サトシ…愛してる。だから…いつかサトシを愛してくれるコが現れたら…私の分も…愛して…あげ…て」
そして、蘇りたくないことを願ったノーラの遺志に従い、涼崎とビルはノーラの遺体を火葬したのだ。
ーーその頃
教会ではマイケル神父とシンディが会話をしていた。神父は何か目論んでいたようだが、それは失敗に終わり、シンディがそれにお悔やみを述べている。
「貴方は私に及ばなかったのではなく、彼ら…人間に及ばなかったのですわ」
結局この二人が何者なのかは最後まで明かされず。神的な者らしいけど。
その後、ハーフエイカーの火事は放火、エイミーとクラークは行方不明ということで処理された。信じてもらえそうにないので、涼崎達は全てを警察には話さなかった。図書館も焼失した。そして、神父のマイケル、司書のシンディなる人物は存在しないことを知る。アイヒマンは姿をくらました。帰国後には、源さんから魅奈の遺体が消えたことを知らされた。ちなみにビルは無事だった。ゾンビとなった希の母親が連れ出したのだ。しかし、母親はそのまま炎の中へと姿を消していった。希は黙ってその姿を目に焼き付けていた。そして、涼崎と明日香は燃え盛る炎の前で熱い口付けを……
というわけでエンディングです。エンディングの最後の方で魅奈らしき人物が涼崎とスレ違う場面もあり、更なる波乱を予感させてますが、残念ながら続編の「Esの方程式」は移植されていません。セガからの打診はあったようだが、売上の割に作り込みすぎて赤字だったようで腰が引けたみたいです。その後「人工失楽園 Paradise Lost」という3作目が発表されましたが、こちらはさっぱり音沙汰なし。多分開発中止。

涼崎達は、杜松と希を追ってアメリカへと渡った。メンバーは、涼崎、草薙、明日香、遥の四人。
画面×3→建物×2→建物の入口
向かった場所は、メイン州のリヴァー・バンクス。涼崎は六年前の事件の調査でここに滞在していたことがある。事件については未だに思い出せない涼崎ですが、草薙によれば、ここで涼崎の恋人と明日香の両親が殺されたという。そして、涼崎が犯人の可能性もあると。明日香は事件については知りません。しばらく車を走らせると目的の屋敷「ヘルズ・ハーフエイカー」に到着した。中で涼崎達を出迎えたのは、酔っ払った老人だった。
ルイスの口×2→ビルの口×3
老人に呼ばれて、この屋敷の主人が登場。その大男は、かつて涼崎の相棒だったビル・トージアでした。彼は地元紙の記者で、6年前の事件で情報屋として涼崎と組んでいたのだ。そして、ビルも6年前の事件について記憶を失っていた。希の手掛かりが掴めなかったショックで、遥は倒れてしまった。涼崎達は、この屋敷に泊めてもらうことにする。

涼崎と草薙は、明日香達の部屋を訪ねる。
涼崎の口×2→アクアマリン→明日香の口×2→遥の口×3
遥の体調はまだすぐれない。涼崎はそんな遥を勇気付けた。そして、四人で朝食のため食堂へと向かう。
ビルの口×5→明日香の口(はい)→明日香の口(図書館)
ビルの断片的な記憶によれば、事件の直後、涼崎とビルは町外れの廃教会にいたらしい。そして、町立図書館へ行けば、六年前の事件について調べることができるだろうと。涼崎達は、体調の悪い遥を置いて、まずは図書館へと向かった。
図書館は、魔術だののオカルトに関する書物が多く陳列されていた。
本棚→シンディの口→シンディのアクアマリン→シンディの口×2→書物『屍食教典義』(階段脇)→書物『ロガエスの書』(右側の棚)→本棚→涼崎の口×3
そこへシンディ・デ・ラ・ポーアという司書の女性が現れた。胸元には明日香と同じアクアマリンが。いかにも怪しい。「ベルテインの夜」について調べることになった草薙が書物を物色していたら、表題も著者も不明な怪しい書物を発見した。それは儀式の最適の日時を記したカレンダーのようなもので、一番最後のページには、消えかけたペンで「1822年4月31日」と書かれている。草薙は「ベルテインの夜」についての記述を見つけた。「5月1日の前夜」とある。ヘルズ・ハーフエイカーについて調べていた明日香は、かつての持ち主だったハーバート・ウエストという人物に行き当たるも、その人物については、1940年代にこの地にやって来たということ位しか分からなかった。六年前について調べていた涼崎も、いろいろ収穫があったようです。涼崎は六年前にここで杜松と会っていたようだ。草薙によると、涼崎はある大学の依頼で、明日香の両親の捜索をしていたらしい。そして、行き着いた場所がヘルズ・ハーフエイカーだった。それが六年前の4月30日のこと。事件の容疑者となった涼崎とビル。もう一人の容疑者だった涼崎の恋人ノーラは、後日血痕が見つかり、鑑定により死亡していると断定された。しかし、遺体は発見されていない。実は生きてるって展開かも。

マイケルの口×6
そこでは、教会の神父らしき黒人男性が演説をしていました。新興宗教の教祖のような感じ。それを聞いている信者達も熱狂している。彼の名は、マイケル・マクシミリアン。こいつも相当に怪しい。神父の話から、ベルテインの5月1日というのが旧暦であることが分かる。

ビルの口×4→エイミーの口×3→ビルの口
涼崎は、六年前に杜松に会っていた事をビルに話すが、ビルは思い出せない。しかし、ビルは何かの光を見たことは覚えていた。そこへ男女が現れた。女性はエイミー・マクドゥガル、男性はクラーク・アシュトン。エイミーは涼崎に気のある素振りを見せる。いい気のしない連れの男性と明日香。ビルによれば、現在この屋敷にいるのは、この男女と昨日出会った酔っ払いの老人ルイス・ウェルダイク、そしてもう一人、ドイツからこの辺の地質を調べに来ている学者カール・アイヒマンの四人だそうだ。
涼崎の口×3→ドア
部屋に戻った涼崎と草薙。涼崎が、魅奈が死ぬ間際に語った「黒の断章」について語る。涼崎はオカルトで知られているミスカトニック大学から、明日香の両親の捜索を依頼されていたが、柏木夫妻はこの地で「黒の断章」を発見したという連絡を大学に送った直後に行方不明になっていた。大学の蔵書の中でも最も希少な書物に「ネクロノミコン」という禁断の魔術書がある。そして、訳者が自分に必要な部分だけを抜き出した断章もあり、その中でも幻の章と言われる第十四章で構成されたものが「黒の断章」というわけだ。第十四章はミスカトニックに保管されているネクロノミコンでも欠落している章である。そして、それを持っているのが杜松であろうと、涼崎は推測した。

食堂に行ってみるが、ビルが涼崎を明日香のことでからかっただけ。
ルイスの口×3→ルイスの目×2→ルイスの口×2
ルイスの部屋へ。第二次世界大戦の頃。子供だったルイスがよく遊んでもらっていたジャックという近所の男性が、ドイツの前線で瀕死の重傷を負って帰ってきた。医師から三日も持たないとさじを投げられた彼は、その日の内に姿を消してしまった。しかし、その人物が一週間後に現れて、人間や家畜を殺しまくったというのだ。ジャックは、ルイスに襲い掛かったところで射殺された。しかしルイスによれば、体中をハチの巣にされたジャックの体からは血が出ていなかったのだという。そして、ジャックに襲われたのが、この屋敷の裏の森だったと。

カールの口×3→画面×2
メイン州にある太古の遺跡について御高説を賜る。

明日香の口→ベッド×3→窓→遥の口×2→遥の体
敢えて全ての事を話す涼崎。涼崎も苦しんでいることを知った遥は
「このまま…同情でいいですから…抱いて…くれませんか」
涼崎は遥をなだめて事なきをえた。ちっ

ビルの口→画面→涼崎の口×3
明日香のやけ酒にみんなで付き合わされた。酔いつぶれた明日香を背負って遥の部屋へ運ぶ草薙。その途中、アイヒマンらしき人物を見かけたがスルー。遥は吹っ切れた感じで元気が出たようです。
画面→エイミーの口×2→クラークの口→クラークの体
夜中にエイミーが部屋にやって来た。エイミーは、涼崎を騙して自分の部屋まで誘い込み
「日本人のアレも教えて欲しいの…」
と誘惑。かつての恋人ノーラを思い出し心揺れる涼崎だが、明日香のことを思い出して当然のごとく断る。それでも諦めないエイミーに、いやどうしよう…と、さすがに揺れる心。それを見透かしたエイミーは、涼崎に馬乗りになった。そこへ、クラークが登場。その隙を突いてエイミーから離れ、涼崎は部屋へと無事戻ったのであった。ちっ

朝早くに地元の保安官パーキンス・ギブソンが訪ねてきた。涼崎とは六年前の事件で因縁がある。
パーキンスの口×3
どうやらルイスの爺さんが酒場でポックリ逝ってしまったらしい。いつもは静かで面倒を起こさないのに、昨日は様子がおかしく、「地獄には近づくな」を連呼して叫んでいたという。
ビルの口×3→ドア
亡くなったルイス爺さんの部屋へ行く。中にはビルがいた。少し寂しげだった。ルイスは自分がジャックのようになるのを恐れ、土葬が主流のアメリカで火葬の用意をしていた。よほど恐れていたのか、アル中のくせに、その費用にだけは全く手を付けなかったという。
ビルの口→エイミーの口×2→ビルの口→教会
朝食のために食堂へ。そこへエイミーとクラークが。涼崎に言い寄るエイミー。明日香が不機嫌になるのはいつものことだが、遥にも心情の変化が見て取れた。

マイケルの口×2
神父がまた演説していた。神父にルイスのことを話す。何だか、こちらの状況を知っていて愉しんでいる様子でした。
本棚→シンディの口×3
図書館へ。まずは、ハーフエイカーの元の所有者だったハーバード・ウェストについて調べた。彼はミスカトニック大学の医学部の出身。第一次世界大戦時には軍医として従軍。帰国後しばらくして失踪した。彼は医学として死体の蘇生を研究していたようだ。当時彼がいた場所の周辺では、様々な死体消失事件も起きている。失踪していた彼がこの地に現れたのが、第二次世界大戦の勃発した1939年。あの屋敷はそれ以来「ヘルズ・ハーフエイカー」と呼ばれるようになった。そして、1950年に屋敷内で死亡しているウェスト博士が発見された。死因は心不全。彼には助手がいたが、その男は行方不明となっている。ミスカトニック時代のウェスト博士の写真もあった。そして、博士の隣に杜松らしき姿も写っていた。年代的にはあり得ないことだが、不老不死の薬か……
シンディに「黒の断章」について尋ねてみると、カール・アイヒマンも一週間前にハーフエイカーとネクロノミコンについて調べていたそうだ。シンディによれば、ネクロノミコンの第十四章というのは、死体蘇生についてのことだった。そして、その儀式の触媒として「処女の血」が必要なのではないかという。それで希が選ばれたのでは?というわけだ。草薙がもっと早くやっちゃっていれば……

画面→ビルの口
ビルは過去を思い出して興奮していた。六年前の事件はこの部屋から始まったのだと。そして、部屋の隅には隠し階段があった。涼崎にもかつての情景が蘇っていた。ベッドで乳繰り合うノーラと涼崎。そして、ノーラは自らを犠牲にして、ビルと涼崎を逃がした。ノーラの胸元で何かが光っている。涼崎は気を失った……

画面→明日香の口×2→明日香の目×3→明日香の口→明日香の体→明日香の口
時間は深夜の0時。明日香に、エイミーとクラークとアイヒマンの三人が行方不明になっていること。そして、アイヒマンの勤め先のベルリン大学に問い合わせたが、そんな教授はいなかったことを聞かされた。涼崎はノーラの一件があるので、明日香に地下室への探索には加わらないように言うが、明日香はそれを受け入れない。涼崎は全てを打ち明けた。ノーラのことを、明日香の両親があの地下室で死んだことを。しかし、明日香はそれでも行くといって聞かない。涼崎は明日香を抱き締めた。明日香は両親と同じ目にあわせたくないから、という理由では納得できないと言う。
「オレはお前が好きだから、だから危険な目にはあわせられない。」
「ーーこれくらいだったら…考えてもいいョ」
そして
「私…私、お兄ちゃんが好き。」
自分のことが好きなのかどうかと明日香に聞かれて戸惑う涼崎だが、明日香はYESかNOかと問い詰めてくる。
「認めたくないが…YESらしい。」
そして
「……お兄ちゃん……抱いて」
六年前に養子として引き取っているので、この二人は法的には親子ですが、そんなことはもう関係なかった……(家庭用なので自粛)

いよいよベルテインの夜の当日となった。
ビルの口→画面
地下へと突入するが、結局、明日香も行くようです。ここからはダンジョンでの移動になるが、基本一本道です。脇の部屋に入ったりするとイベントが起きたりもしますが、必要はありません。強いてあげるなら2本目の分かれ道。どっちに行っても同じですが、広い場所に先に進む通路があるのでお見逃しなく。

画面→画面→カールの口→カールの目×3→カールの口
既に突入から七時間もの時間が経過していた。涼崎はそこで蛸の巻き付いた赤ん坊の像を見つける。涼崎が悪夢の中で見ていたものだ。その蛸は足が七本しかない。涼崎はクトゥルー神話に出てくる七本足で蛸のような頭部を持つ邪神クトゥルーを思い出していた。その先に扉があった。そしてそこにはエイミーの変わり果てた姿も。一行が中に突入しようとした時
「下がった方がいいぞ」
後ろから誰かが声をかけてきた。アイヒマンだった。アイヒマンに指摘されて扉の付近をよく見ると、クラークもそこにいた。しかし、その容姿はおぞましく変貌していた。怪物の姿に。アイヒマンによれば、知能はほとんど失っており、扉を通る者を襲うように洗脳されているとのこと。アイヒマンは興奮している。オカルトの軍事利用に使えると。やばい組織の人間だったようだ。時間もなく、一行は全員で扉に一気に飛び込むことにした。一種の賭けであった。怪物が明日香に襲い掛かったが、それをビルが食い止めた。ビルを一人残して他の者は扉の中へ逃げ込みました。扉の向こうで親指を立てながら暗闇に引きずり込まれていくビルが実にかっこよかった。

扉が閉まると、誰かが語りかけてきた。祭壇のような壇上で、白衣に身をまとった杜松が笑っていた。その背後には希がロープに吊るされている。意識はしっかりしているようで、遥の問いかけにうなずき返しています。
画面→杜松の口×3→書物『黒の断章』→杜松の口×3→カールの口→杜松の口×2→涼崎の口→涼崎の顔→涼崎の手→涼崎の煙草→涼崎の口×2→画面
杜松の口から告げられる真実。二年前、ハーフエイカーにある学者夫妻がやって来た。その学者の名は冬川正史。そう希の父である。その夫妻は、当時杜松の身体を乗っ取ってまだ生きていたウェストに捕まり、研究材料にされたのだという。訳がわからないが、どうやらウェストは死んではおらず、死期が近づいた時に、仮死状態にしてあった助手の杜松の体に乗り移っていたらしい。肉体の移転には日本人なら日本人が好都合らしく、それで日本人を狙っていた。六年前に狙った明日香の両親は、涼崎とビルのせいでうまくいかなかったが、二年前に冬川の体を手に入れることができた。しかし、そこでミスがあったらしく、冬川とウェストの人格が、肉体の中で混濁してしまったのだという。


「お母さん!やめて!!お父さんも…やめてぇっ!!」
亜希子がそれにピクリと反応する。涼崎は思い出した。このアクアマリンの光にゾンビは弱く、この光を浴びたゾンビは火に弱いということを。草薙は涼崎に言われるまま、拾った涼崎のジッポを杜松に投げつけた。全身火だるまになりながら、亜希子に命令を送る杜松だったが、亜希子は首を横に振った。

「亜希子…よかった…これで家族が…家族が揃う…。希…お父さんとお母さんは帰って…来…た」
と笑顔で言いながら力尽きた。最後の瞬間、杜松はウェストではなく冬川正史になっていた。遥に助けられた希は、母親に近づこうとするが、ゾンビの亜希子は来るなという素振り。そして、祭壇の右側にある窪みを指し示した。そこには隠し通路があった。亜希子を残して、皆通路に逃げ込んだ。ノーラの最後の言葉を思い出す涼崎。
「サトシ…愛してる。だから…いつかサトシを愛してくれるコが現れたら…私の分も…愛して…あげ…て」
そして、蘇りたくないことを願ったノーラの遺志に従い、涼崎とビルはノーラの遺体を火葬したのだ。

教会ではマイケル神父とシンディが会話をしていた。神父は何か目論んでいたようだが、それは失敗に終わり、シンディがそれにお悔やみを述べている。
「貴方は私に及ばなかったのではなく、彼ら…人間に及ばなかったのですわ」
結局この二人が何者なのかは最後まで明かされず。神的な者らしいけど。


- 関連記事
-
-
ブルーシード ~奇稲田秘録伝~ (1) 2007/04/11
-
少女革命ウテナ いつか革命される物語 アンシールート後編 2011/09/02
-
SEGA AGES/スペースハリアー (セガサターン・1996年) 2022/05/15
-
機動戦士ガンダム ギレンの野望 2011/07/16
-
信長の野望リターンズ 2012/03/17
-
F-1 ライブインフォメーション 2007/06/12
-
スポンサーサイト