水夏 ~SUIKA~ 第二章「白河さやか」

水夏 ~SUIKA~ 第二章「白河さやか」


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第二章

7月18日

水夏 ~SUIKA~

二人の男女がお互いを見つめ合いながら絵を描いている。先生に「お互いを見て感じたモノを書く」というテーマを与えられていたからだ。一人はこの章の主人公である俺、上代蒼司、もう一人はヒロインの白河さやか。さやかは、前の章で草原で絵を描いていたり、駅前でガレージセールをやっていたあの少女です。どうやら、このゲームは、各章で同じ村の同じ時期に起きていたそれぞれのストーリーが綴られているってことっぽいですね。ちなみにさやかは一つ年上のお姉さん。お姉さん属性の俺期待。先生というのは、さやかの父親でもあり、天才的な画家でもある。さやかは父親を「あの男」呼ばわりして嫌っているようです。で、さやかの様子がおかしいので、何か悩んでいるのかと聞いてみますが、さやかは何でもないと言って話さずに先に帰っていった。さやかの絵を見ると、そこには射るような眼差しで絵を描いている俺と、それを背中から抱きしめている碧眼の天使が描かれていた。

7月19日

水夏 ~SUIKA~

今日はさやかは教室をサボっていた。ここで前の章で出てきた女性の死体が朽ちていき、また蘇るというあの巻物の話が出てきた。どうやらあれを描いたのが、さやかの父親である白河律だったようです。この男は女性と死をテーマにした絵で知られる高名な画家みたいですね。帰り際に
「先生、人を殺すのって、どんな感じなんでしょうね」
と問いかけてみると
「考えていたより面白くないよ」
と答えるさやかパパ。経験有り?

水夏 ~SUIKA~

先生と別れた後に、今度はあの銀髪マント少女が登場。俺に声をかけられてびっくりし
「どうしよう……この人も……」
と戸惑っている。俺にも死の匂いがするということ?誰かがまた死ぬ?そして、そのまま逃げ去っていった。

7月20日

水夏 ~SUIKA~

八百屋の親父とおしゃべり。さやかもさっきここにアイスを買いに来たらしい。親父は俺をひやかしつつも
「いや、言っちゃあなんだが、お前があの家族と仲良くしてるのはさ、みんな良くないって陰口叩いてるぞ」
と釘を刺す。何かがあったのだろうが、あの家族は周りから忌み嫌われているようです。まあ、この親父は
「あの娘は不憫な子だ。お前だけは何があっても裏切るなよ」
と言ってくれてるので、いい人みたいですけどね。店を出ると、いつまでも同じ夏をめぐる女「千夏」が登場。俺を見てニコリとした後、去っていった。今回も何か絡んできそうです。

水夏 ~SUIKA~

この後、川にでも写生に行こうとしたら、途中でさやかにばったり会った。で、さやかも邪魔しないからと言って俺に付き合うことに。画面の中の俺は邪魔になっていないと思ってるみたいですが、さやかは結構くっちゃべってます。しばらくして、さやかはお昼寝。そんなさやかの寝顔にちょっと悪戯。さやかの唇にジュースを垂らして反応を楽しみました。ジュースがなくなるまでそれを延々と繰り返す。我ながら、かなりのフェチ野郎である。

その頃さやかは、俺にそんなことをされているとも知らずに夢を見ていた。真っ白な世界で、過去を振り返っている。昔は父も母も優しく、少ないながら友達もいた。さやかには、人の心を読み取ってしまうという不思議な能力があったようで、それがさやかを孤独にしていった原因だったという。さやかが絵はもっぱら風景画専門だというのもこれが原因。しかし、そんな能力を持ったさやかを、父親は心底羨ましがっている。

さやかが、そんな目をくり抜いてしまおうと鉛筆を握っていたところへ、母親が優しく声をかけてきた。とっさに絵を描こうとしていたんだと嘘を付くさやか。そこで、チラ裏に庭に咲いていた大好きなヒマワリの絵を描いた。それがさやかが絵を描き始めたきっかけ。
「お母さんの絵は描いてくれないの?」
「お母さんの絵は、お母さんが元気になって、もっとわたしが上手くなったら描く!」
恐らくこの誓いは果たされることは無かったのでしょう。

夕方になったので、さやかを起こして帰ることにした。俺が描いたのは、草原でお姫様の格好をして寝ているさやかだった。口元が甘ったるいことに気付き
「王子様のキス……」
と勘繰るさやか。俺は慌てて否定。しかし、さやかがここから真剣モードへ。現実にあるものに虚構を混ぜようとする俺のスタイルを糾弾している。師である父親の絵に惹かれるあまりに自分を見失っていると。

7月21日

水夏 ~SUIKA~

俺は、さやかの絵の仕上げを手伝っていた。それを見たさやかの父は
「いや、上手くなったな」
と褒めている。彼が人の絵を褒めることは滅多にないらしい。しかし、さやかは逆ギレ気味。何故にこれほどまで父親を嫌っているのかと聞いてみるが、具体的なことは話してくれない。それに最近気になることがあってイライラしているのだとか。その後、俺が作ってきたお弁当(腕前は超一流)に舌鼓を打ったさやかは、女性としてのプライドを傷つけられてしまっていた。

ここで、何故俺がそれほど料理が上手なのかをさやかに語った。俺の両親は小さい頃に交通事故で死別。幼い妹と二人きりに。ちなみに、そのころ第一章の主人公である彰のおばあちゃんにはかなり世話になっていました。ある日、妹が遠足の日に泣きながら帰ってきた。何も語ろうとしない妹だが、その日持たせたお弁当には全く手を付けていなかった。その頃の俺は、弁当など特に気を遣って作っていなかったのだ。俺は生まれて初めてその時泣いた。

そんな過去をさやかに話したことが功を奏し、さやかも不機嫌な理由について語ってくれた。何でも成績が悪かったらしく、一昨日教室をサボったのも、学校で説教されていたからだったようです。それで、俺に家庭教師をお願いするさやか。俺、学年一つ下なんすけど。

7月22日

水夏 ~SUIKA~

今日から約束通りさやかの家庭教師を開始する。家を出て隣の大家さんに鍵を預けようとしたら中から青年が出てきた。そう、大家さんの孫である第一章の主人公・彰である。お隣さんだったのね。さやかの家に向かう途中、神社の話題が出てきた。少し前までは散らかっていたのに、7月になってから急に綺麗になったことを俺は不思議がっています。ということは、伊月は彰が引っ越してきたのに合わせて幽霊化したということでしょうか。となると、色々考えるところもあるのだが、まあいいや。

商店街で見知らぬ女の子から声をかけられ、いきなり愛の告白を受けてしまった。一方的にまくしたてていたそのツインテールな元気っ娘は、俺が地面に置いていた鞄につまずいて倒れこむ。俺は咄嗟に彼女を支える。見つめ合う二人……
「……せんぱい」
そう呟いて彼女が唇を差し出す。動けないのか動かないのか、俺もそれを拒まない。唇に触れるやわらかい感触……。しかし、それは彼女の唇の感触ではなかった。二つの唇の間に挟まれた手。その手の持ち主はさやかだった。俺が来るからとジュースを買いに来ていたのだという。さやかを睨んだ彼女は、
「邪魔者がいないときに、たっぷり楽しいことしましょう♪」
と言い残して去っていった。とりあえず、さやかはあまり怒っていないようだ。むしろ
「手の甲へのキスは主君への中世の証。手の平へのキスは……愛の誓い、ってね」
と嬉しそう。俺の唇が触れていたのはさやかの手の平の方です。ちなみに、ここで出てきた女の子は若林絵美。一度クリアした後にプレイした場合、キスを迫るところで選択肢が発生し、希望に応えることで彼女のルートへと進むことができるようですが、正直あまりそそられない。

水夏 ~SUIKA~

家庭教師開始。俺はさやかの部屋に入るのはこれが初めて。意外と普通の女の子の部屋でした。彼女の成績というのは本当に最悪らしく、テストの順位も休んでいた生徒を除けば最下位らしい。で、勉強を教えている間にさやかは夢の中へトリップ……

今日の夢は絵を初めて描いてから一年後の話。この頃、父親が画家として人気が出始め、母親の病気はますます悪くなっていた。さやかは急いで家に帰り、母親に嬉しそうに校内写生コンクールで銀賞をとった賞状を見せている。
「さすが、あの人の才能を受け継いでいるだけあるわ」
「えー!?わたしは、お父さんみたいな変な絵は描いてないよぉ!」
しかし、母親はお父さんの本当の絵は凄いのだという。その絵は、結婚を猛反対していたさやかのおじいさん達の心を動かしてしまったほどだったと。しかし、その絵は描かれた人は見ることができないという。当時のさやかには分からなかったが、それは死体の絵だったから。で、約束通り絵が上手くなったから母親の絵を描きたいというさやか。そして、病弱の母親を外に連れ出した。さやかが連れて行こうとしていたのは、一面ひまわりだらけの場所。しかし、それを夢の中で見ているさやかは、俺が絵に描いていた草原と同じ風景であることに気付いて驚いている。

今日は様子見ということで勉強は早目に切り上げ。その後さやかに誘われて、遊びに出ることに……

7月23日

水夏 ~SUIKA~

今日はさやかパパに二人だけで話があると言われて駅前に呼び出された。さやかパパはサングラスをしてバス停のベンチに座っていた。近付こうとしたら、通りがかった中学生の四人組がヒソヒソ陰口を叩いていた。いつものことだと気に止めていなかったが、次の言葉で足が止まる。
「……でもさ、あいつの娘も結構なもんだぜ」
そして
「なんでもさ、父親のことで迷惑してるとか言うとさ、何でもしてくれるらしいぜ……」
一瞬ドキッとするが、心の中で即座に否定する。しかし、その男は証拠を見せてやると言って、にやけながらグループを引き連れてさやかの家へと向かった。あの家には今さやかしかいない。俺は少年達を負った。

入口まで来て他の連中はちょっとビビッているが、頭らしき少年はワイシャツのボタンを外したりしてかなりマジモード。俺は少年達に声をかけたものの、逆に凹られてしまった。と、そこへさやかパパが乱入。あ、圧倒的ではないか……
「少し講義をしようか」
と余裕綽々。
「人物を描くことは、人体の構造を理解することからはじまる。筋肉、臓器、骨……血管」
どうやら、本当に俺に向けての講義のようです。そして、一人取り残された少年グループのリーダー格に向かって、こう吐き捨てた
「だが、オレの作品に手を出したら殺すぞ」
娘を作品呼ばわりですか。さやかをモデルに絵を描く。つまり、さやかの死を絵に描く。思わず、そんな薄ら寒い想像をしてしまった。

結局、呼び出された話が何だったのかも分からないままさやかの部屋で家庭教師。さやかの屈託のない笑顔に先程の一連のやり取りも消し飛んだ。ここで俺は、さやかに絵のモデルになってほしいと申し出る。さやかも喜んで承諾してくれました。

7月24日

水夏 ~SUIKA~

今日もさやかの家庭教師。外は生憎の雨模様。作ってきた問題をさやかにやらせてみたが、意外と出来がいい。さやかは、俺と一緒に絵を描いたり、話をする時間を増やしたいがために、相当予習をしていたらしい。やればできる子だった。
「……知ってる?わたし、ホントは愛想のない子なんだ」
雨のせいか、さやかはこんな鬱な話題を切り出してきた。怖くて周りの人間を避けてしまう。本当はみんなが好きなのに、ひまわり以外は。で、そんな話をしている最中にまた夢の世界へ……

前回の夢の続き。ひまわり畑で母親の絵を描こうと、さやかが準備をしている。母親がちょっと疲れたからと横になった。しばらく話をするうちに母親は寝てしまった。準備が終わり、母親の側に近づいたさやかは、異変に気付いて凍りつく。そこへ父親が現れて、おもむろに絵を描き始めた。幼いさやかが、そんな父の背中を睨みつけている。男の絵に描かれたひまわり畑の真ん中で、「わたし」が眠っていた。
「ああ、殺されている……」
夢の中でさやかは意識が遠のき、現実で目を覚ます。

俺が渡した麦茶を飲み干したさやかは
「お願い……」
と言って、そっと俺に体を預けた。俺も長い時間彼女を抱きしめていた。その後、家に帰ると言う俺に、布団にくるまりながら
「……傘、もってる?泊まってく?」
と聞くさやかだが、頭を冷やしたいと言って、俺は傘も差さずに帰っていった。よく分からんが、やっちゃってる?帰り道の俺の脳内思考からしてもそんな感じだ。

と、俺の前に人影が。
「オレの言った通り楽しめただろ?」
あの少年グループのリーダーだった。本当にさやかはそういう女なのでしょうか?どうやら、この少年はさやかパパへの仕返しを企んでいるようです。そうはさせじと立ち向かったが、少年の手にはナイフが握られている。そして、どうなったか分からぬままに翌日へ……

7月25日

水夏 ~SUIKA~

俺はあぜ道を歩いていた。どうやら無事だったようです。何故か手にはメイド服の入った紙袋が。よく分からない展開です。妹は家政科に通っているのですが、その制服がメイド服なんだという。メイド服が制服の高校ですか。で、サイズが合わなくなって要らなくなり、その処分をまかされてしまったのだ。そんなわけで、メイド服を持ってさやかに相談しにいく途中です。と、そこへ千夏が登場しぶつかってしまう。その衝撃でメイド服の一部が出てしまい見られてしまった。
「いります?」
と言ってみたら、嬉しそうにもらっていきました。別れ際に俺の名前を呼んでいるが、何で俺の名前を知っているのだろうか。ちなみに、彼女にあげなくても、さやかがメイド服姿になるなんてことはないです。ここであげておくと後々……

突然駅前に飛んだが、どうやらここからさやかパパ視点の話になったようです。バス停のベンチに座って、人波に揉まれている銀髪マント少女を微笑ましく眺めています。そのうち少女はさやかパパの隣に腰を降ろした。さやかパパに話しかけられて驚いている。会話の途中で
「うん……あっ、ちょっと待って」
と言って突然道路を睨みつけた。和服の女性が手に包みを持って歩いてくる。「知り合いなのか?」とさやかパパが聞こうとした瞬間、激しいブレーキ音と衝撃音が鳴り響いた。割れたフロントガラスを呆然と見つめている運転手。
「そして、上代蒼司という、やはり変わった弟子がいてねーー」
さやかパパは、転がってきた女性の瞳孔を確認しながら、何事もなかったかのように少女に会話の続きを話していた。さやかパパも怖いけど、やっぱりこの少女は死神ですかね?

水夏 ~SUIKA~

草原で約束していたさやかの絵を描く。昨晩さやかの家の近くであった事件について話すと(自分が関わっていたことは話さず)、さやかも父親に聞いて知っていたみたいです。しかし、父親は昨日は朝帰りだったようで、あの時俺が逃げていたらどうなっていたことやら。しかし、今日はさやかのことが気になってしまい筆が一向に進まない。そんな俺を見てか、さやかは俺に絵のアドバイスを始めた。自分の考えた理想を絵にすればいいとか何とか。そして最後に
「想いだけは必ず届くから。だから、ね?本当にはじめようよ。君の夏休みを」
と支離滅裂に締め括る。
「……僕は、自分の気持ちがまだ分かりません。でも、遅くなったけど、先輩のことは好きみたいです」
俺は俺で突然の愛の告白。さやかは大喜びで俺に飛びついた。

7月26日

水夏 ~SUIKA~

家を出ると隣の住人の女性に出くわした。名前は京谷透子。20歳の女子大生。時折薄い壁越しに聞こえる音に、妹ともどもソワソワさせられているらしい。やってるね。

今日はさやかの元気がない。明後日28日が母親の命日なんだとか。母親が死んで、そして二人が出逢って八年が経つ。あっという間だったと言うさやかに、「カップラーメンにお湯を注ぐ暇もなかった」と冗談で返したら、今日の昼飯はカップラーメンにされてしまった。仕方なくとんこつ味を頼む。

さやかが買いだしに出かけた後、布に隠されていた一枚のキャンパスに目が留まる。見れば絶対に後悔すると確信にも似た予感を感じつつ、何度か躊躇しながら布を取る。そこにはさやかパパの作品らしい何の変哲もないひまわり畑の絵が描かれていた。布をかけ直してコーヒーを入れに行くが、何かが引っ掛かる。フラッシュバックする八年前の忘れていた記憶……

改めて絵を見直してみると、ひまわり畑の苗床となっているのが横たわる一人の女性だった。女性の腕や足、背中や首筋を貫いて、恐ろしいまでに生気を帯びたひまわりが咲き乱れていた。吐き気をもよおしながらも絵を直視する。その女性はさやかに似ており、それが彼女の母親であることは一目で分かった。
「化け物め……」
そう思わず呟いた。ポケットからナイフを取り出し絵を切り裂こうとしたが、さやかに似た母親の顔がそれをさせなかった。膝が崩れ、笑いながらも涙が止まらなかった。

水夏 ~SUIKA~

さやかの部屋へ何とか辿り着いた。そこにさやかパパがいて、スケッチブックを眺めている。それは、あの草原で描いたさやかの絵だった。俺はひまわりの絵のことを聞いてみる。あれは傑作だという。何やら二人の間には不穏な空気が流れています。
「あれを越える作品は描けないと思った。このスケッチブックを見るまでは」
どうやら、さやかをモデルにしようと思い立ったみたいですね。つまり、さやかの死の絵を。俺は、この夏のさやかの、まるで生き急いでいるような豹変振りを思い返した。さやかパパは更に
「本当にあの子は……寝てるか縛り付けでもしなければ絵も描けないーーああ、うん、それもいいかもしれない」
と小声でやばそうなことまで呟いてます。俺の中に殺意が芽生え、ポケットのナイフに手を伸ばした。

「ぼんじゅ~る、おっひるごは~ん♪」
と、そこへさやかが呑気に帰ってきた。そりゃ殺意も削げますわw。部屋に父親がいることに激高したさやかは、食器を投げつけて追い返した。そして俺も追い出される。彼女は人前では決して泣かない人だが、俺は、こんな時にも必要とされないことに悲しみを覚えるのだった。

水夏 ~SUIKA~

しばらく落ち込んだ後にさやかの部屋へ戻ったが、さやかは不在。窓の外を眺めていたら、さやかはハンモックでお昼寝していた。心配ご無用だったようです。俺は寝ているさやかに軽くキスをした。起きないさやかにもう一度キスをする。今度は長くいやらしく。まぶたとおでこにもキスをして俺はその場を去った。その後、さやかが部屋に戻ってきた。そして今度は俺に体を預けて泣いた。

水夏 ~SUIKA~

「さのばびっち、ばんごは~ん♪」
夜になって、突然さやかがアパートに押しかけてきた。肉じゃがを作りすぎたからとお裾分けに来たらしい。しかし、さやかの家からここまで歩いて一時間はかかる。夕食を済ませたばかりなので、俺は明日食べると言ったが、さやかは拗ねてしまい、鍋を持ったまま帰ってしまった。

慌てて後を追いかけると、さやかは神社にいた。鍋を神社のお供え物にしてしまったらしい。あの神社に行くと誰かに見られている気がするというさやかですが、それ正解。俺は、こんな夜中に一人で出かけるなとさやかを咎める。いろいろありましたからね。
「あれ、心配してくれるの?」
「当たり前でしょう!彼女の心配しないでどうするんですか!」
彼女と言われてドキっとするさやか。彼女は自分の前では辛い姿を見せることはない。自分もそういう場所であるために、彼女の辛さを知ってはいけない。しかし、俺はそんなジレンマをもう終わりにしようと決意するのでした。彼女が皆に微笑み、その笑顔で皆が彼女を好きになってくれるように。別れ際、俺はさやかに渡しそびれていたというプレゼントを渡してキスをした。

水夏 ~SUIKA~

さやかの夢。母親の葬式の日のようです。ひまわり畑で泣いているところに男の子が現れた。年下っぽいのに偉そうにしている。男の子に呼ばれて行ってみるといきなり怒られた。
「……バカ」
「な、なによいきなり!みんなひどいよ!わたしは、なんにも悪いことしてないのに!」
母親から生えているひまわり畑が嫌いで、ここ数日、さやかはひまわりを日がな一日引き抜いて回っていたのだが、そこに男の子の秘密基地があったというのだ。泣き止まないさやかに、少年はいくつかのあめ玉と一枚の紙を渡してやった。人の心が読めてしまうさやかだったが、この少年が何を考えているのかは分からなかった。そして、それは何故か新鮮だった。渡された紙には商店街の絵が描いてあった。ありのままを、ありのままに描いている素直な絵だった。さやかはその絵に見覚えがあった。校内美術コンクールで金賞を取った絵である。描いたのは上代蒼司。そう、これが二人の出逢いだった。俺は、さやかの父に絵を習いたくて近くに来ていたようです。別れ際
「絵のことはお父さんにわたしから言っておくね。あと……わたしが怖くないの?」
と問うさやかに
「?お前が怖いって……良くわからないけど、帽子が似合うなお前」
と俺は答えた。そして、さやかは「お友達になってほしい」と思うのだが、怖くてそれを中々口にできないでいる。しかし、彼にもらった絵を見て、二人には糸(これ)があることを思い出し
「いっしょに絵を描きに行こう!」
とニコっと笑って言うことができた。

ここで、白河さやかさんから大事なお知らせが・・・
「さて、この物語を終える、長い長い48時間がはじまり、物語の語り手は、わたしーー白河さやかへと移ります。それは……本来の語り手である蒼司くんが、この物語の結末を見ることが出来なかったから……」

えっ?

7月27日

水夏 ~SUIKA~

ここからはさやか視点でのお話。昼まで寝ていたさやかは、スケッチブックを持ってお出かけ。商店街で美絵と出くわす。敵愾心剥き出しの美絵でしたが、余裕たっぷりな感じであしらって、微妙に仲良くなって一緒に駅の方へ歩き出した。さやかって対人恐怖症じゃなかったのか?

美絵が俺との出会いを語り、今度はさやかのターンになったのだが、駅前で不意に足元がすくわれて倒れてしまった。見覚えのある女子集団がニヤニヤしている。それでもヘラヘラしてるさやかに、美絵が泣きながらのお説教。
「ずるいよ……そんな美人で、せんぱいと楽しく絵が描けて、私の持ってない物みんな持ってるくせに……私はあなたになりたいのに、なんでそんなに悲しそうに笑うのよ……」
自分といると変な噂が立つからと、ここで別れようと言うさやか。そして
「もし……もしもよ。わたしがいなくなったら、蒼司くんのことお願いね」
と不吉なことを言って去っていった。

水夏 ~SUIKA~

神社にお供えした鍋を回収しに行ったさやかは、鍋の替わりに何故か花火を一セット置いていった。一章で彰と伊月がやってた花火はこれかですか?その後、俺の部屋に行くのかと思ったら、用事があったのはお隣の透子さん。俺に負けないようにと料理を教えてもらいに来たようです。煮物を作ったのだが、肝心の俺は留守でした。

水夏 ~SUIKA~

ということで俺がいそうな草原へ行ってみることにしたさやかだったが、道端でエロ本が落ちているのに気付き、勿論読む。一章で彰が捨てたエロ本です。隅々まで読みつくした後
「バ……バナナ……アイスキャンディー……」
と意味不明なことを呟いて、草原目指して再び歩き出した。俺は昼寝していた。周りに人がいないことを確認してキスをするさやか。この間のお返しでしょうか。もう一度キスをする、今度は深くねっとりと。そこで、俺が目を覚まし、そこから二人はめくるめく官能の世界へと……。とは言っても、エロ本で学んだらしきことはやってません。

水夏 ~SUIKA~

俺がさやかの怪我した足に気付く。駅前でさっき転ばされた時にすりむいた傷。
「血って、どうして赤いんでしょう」
唐突に俺がそんな疑問を投げかける。ハッとするさやか。今彼が頭に浮かべているのはあの男(パパ)の絵ではないのか?と。俺が絵を描きながら自分を見る目の険しさが、最近あの男が自分を見る瞳に似ていたのだ。「女の子ならもっと甘えればいい」という美絵の言葉を思い出し、さやかは秘めた想いを俺に伝えた。母親の死に対する自責の念、他人に無視されることの怖さ。母親を見殺しにした自分がやるべきことは泣くことではなく笑うことなんだと。で、母親の絵を描こうとしたら母親が死んでしまったため、人の絵を描いたり描かれたりすることが不安なんだとい少し大きい文字うさやかに

僕は死にません

腹筋が崩壊した。ダメでしょ、こんないい場面でこんな台詞を言わせちゃw。そして
「あなたも殺させません」
と。さやかが笑ってごまかしていると、強風が吹いて帽子が飛ばされる。どうやらこの帽子は母親があの時かぶっていた形見の品だったようです。それを拾いに行こうとするさやかですが、俺はその腕を掴んで行かせません。
「先輩、いつまで縛られているつもりですか?」
さやかは、泣きたくても笑っていろと、母親に生前言われた気がしていましたが、それは父親の描いたあの絵の母親に言われたことだった、と気付かされた。そして、あの絵が本当は好きなんだということを。

水夏 ~SUIKA~

二人で帽子を探していたら、小さなひまわり畑が狭い谷にできているのを見つけた。ひまわり……一番大好きで、一番大嫌いな花。ひまわりを前に心が洗われるさやか。
「さっき、殺させない……そう言ったね。誰に?あの、いつかの少年?」
さやかはあの事件のことを見ていたようです。で、その少年が誰かに腕と足を折られて入院していることも知っている。当然、誰がやったのかということも。
「それじゃあ、わたしを殺すのは、君?」
「……はじめは、そのつもりでした」
「それは……ええ、とてもロマンチックね……」
「ええ」
「わたしの眠る絵を描こうとしたのね?」
「ええ」
「どうして止めたの?」
「エッセンスが足りなかったから」
「バラの香り?」
「愛情ですよ」
さやかは俺に向かって振り返り、手を差し出して目を閉じた。心臓か唇か、それは本当に命を賭けた勝負だった。俺は冗談で言っているのだが、さやかは俺に父親と同じものを感じていたため真に受けてしまっている。涙が溢れ頬を伝う。俺はその頬にやさしくキスをし、号泣するさやかを抱きしめた。
「……律先生からあなたを守ります」
さやかが落ち着くと、そう誓って手の甲へと忠誠のキスをするのでした。

翌日に買い物をしに行くことを約束して別れる二人。家の電気は付いていて、さやかパパは家にいるようです。さやかパパは、俺が描いたさやかの絵を模写していた。さやかはふと父のいる部屋に入った。「おかえり」と言われ「ただいま」と答える。久しく言わなかった言葉である。そして、父親にコーヒーを入れてあげた。何故こんな行動に出ているのか、さやかにも分からない。明日の母の命日に墓参りに行こうと提案するが、さやかパパはこれをあっさり却下した。

水夏 ~SUIKA~

俺は妹に電話で言伝を残して、さやかの家に向かった。さやかパパとの対峙。さやかパパがさやかの絵を描こうとしていることを確認すると、袖に隠していたナイフを取り出した。相変わらず余裕たっぷりの口調で持論を展開するさやかパパ。完全にペースを握られちゃってます。そして
「君の妹さんだがーー」
思ってもいなかった突然の話題に俺の足が止まる。さやかパパはその隙を見逃さない。足を狩られて倒された俺は、ナイフを簡単に奪われてしまった。余裕のさやかパパは講釈たれながら、俺に背を向けて無防備に木戸を開けようとしていた。しかし、俺はあの少年から奪っていたナイフをもう一本隠し持っていた。さやかパパが戸を開けると同時に俺は動いた。

さやかパパが開けた戸の先は、今まで入ったことのない作業場だった。その壁中に貼られている写真と、未完成のキャンパスの絵を見て、俺の体は凍りついてしまった。そして部屋の床にはドス黒いシミが幾つも広がっていて、部屋から流れる風は生臭い強烈な血の匂いに満ちていた。俺は全てを悟り、目からは涙が溢れ出ていた。
「さよならだ」
さやかパパが頷いた。手には銀色のナイフ。俺は首を振るが、涙で視界が曇る
「先輩……」

7月28日

水夏 ~SUIKA~

ハンモックで寝ているさやか。今日は俺とショッピングの約束をしているがまだ来ない。さやかは、誰かが枝を踏む音で目を覚ましました。さやかは、それが俺だと思って寝た振りをしています。髪をなでる指、しかしその指からは血の匂いがした。指が頬に触れるとさやかに悪寒が走る。明らかに俺の指ではなかった。ようやくその人物が去っていき、うっすら開けたさやかの目に映ったのは、父親の後姿だった。吐き気。まだ俺は来ない。彼は約束を破るような人間ではなかった。父の指から臭った血の匂い。さやかは最悪の状況を想定する。泣いてはいられないと、家の裏の林から抜け出した。

林を抜けると駅だった。見ると服は汚れてしまっていた。とりあえず、俺の家に電話をしようと思ったさやかだったが、あいにく財布を家に置いてきていた。所持品を地面に並べるとテレホンカードはあった。しかし、ここの公衆電話では使えなかった。どうすべきか考えを巡らせ
「子供からかつあげ……」
と物騒なことを呟いた。なるほど、あれはそういうことだったのか。
「ガレージ・セール?」
彰の登場です。全部10円って言ってたのは電話がしたかったからなんですね。いつぞや聞いた会話が流れていき、彰は飴とビー玉を買って20円を手渡します。

水夏 ~SUIKA~

彰と入れ替わるように、今度は美絵が現れた。やたらと慌てている。美絵を落ち着かせて話を聞くと、こういうことでした。美絵の兄は精神科医をやっていて、最近不良が入院してきたのだが、そいつが逃げ出したという。そして「殺してやる~」とずっと呟いていたらしく、そのターゲットが俺とさやかパパなんだという。つまりはあの少年。しかも、その少年はいいとこの坊ちゃんらしく、病院も警察も知らぬ存ぜぬを決めているらしい。

二人は手分けして俺を探すことに。さやかは俺の家に電話する。妹が電話に出た。どうも相当なブラコンらしく、さやかに対していい感情を持っていないようです。妹によれば、俺は昨晩電話してきたっきり帰ってきていないという。さやかは
「……ひまわりの前で待ってるって」
と伝言を頼んだが、それが二人だけにしか分からない思い出の場所だと知って、遂に妹がブチ切れ
「ちょっと!ただでさえ兄様(にいさま)との間柄に頭にきてるのに、なに意味深なことーー」
と、そこでタイミングよく10円が切れた。さやかは不安になりながらも、ひまわりのある草原へと向かった。と、ひまわり畑に女性がいた。彼女はさやかに気付いて話しかけてきた。千夏だ。最初はフレンドリーな感じだったのだが、昔ここが一面のひまわり畑だったことを話していたら
「あなたが抜いたんですって」
さやかが驚くと
「花に聞いたの。昔、あなたが彼等の仲間を殺したんだってね……」
千夏はさやかの過去をよく知っていた。そして、ひまわり繋がりでゴッホが自分の耳を削ぎ落としたエピソードを語る。ゴーギャンとの同棲生活が、二人に才能があった故に行き詰って破綻してしまったこと。
「ただ、わたしは少し後悔しかけてるの……だからあなた達には期待しているわ」
そう言って、千夏は鼻歌を歌いながら去っていった。

水夏 ~SUIKA~

夜になり、商店街に戻ってきたさやか。残りの10円玉で、俺の家に電話にかける。ちなみにここで自宅にかけるとバッドエンドです。やはり妹が電話に出た。電話口で飛び散る火花。しかし、最後に妹が俺からの伝言をさやかに伝える。
「もし、僕が約束を守れなかったら、まず、すみませんでした。そして、僕はあなたのことを愛してーー」
と、そこで今度はタイミング悪く切れてしまった。しかし、それは10円が切れたからではなかった。
「見つけた……」
さやかの後ろに包丁を持ったあの少年が立っていた。相手を刺激しないように、さやかは冷静に話をする。隙を見て走り出したさやかだったが、髪の毛を捕まれる。咄嗟に背中から体当たりをかました。しかし、その際にさやかは太腿を包丁で刺されてしまう。叫ぼうと思っても声が出ない。倒れたさやかに近づき
「……へへへ。傷の手当をしてやるよ」
と言って、少年はさやかの足元に回り、破けたスカートに手をかける。手で押さえようと思ったが、包丁で今度は右手を貫かれた。あまりの痛みに叫びそうになるさやかの口を少年の手が塞ぐ。

いつの間にか口が自由になっていた。人影がまた戻ってくる。お姫様抱っこのように抱えられるさやか。手を押さえ込まれ痛くて喚くき、その顔をグーで殴る。すると、その顔が近づいてきてハッとするさやか。重なり合う唇。
「ーー大バカ蒼司クンッ!!」
俺でした。後始末をすると言って、俺は倒れている少年に近づき、落ちている包丁を振り上げた。
「死ね」
「ダメーーッ!!」
包丁は、少年の顔スレスレで地面に突き刺さっている。地面にへたりこんで泣き出すさやか。
「……でも、どうすればいいかな?」
「……キス、して」
「……先輩、笑ってください」
「……?ぇ、うん」
さやかは言われたまま笑う
「……うん、よかった……これで良い夢が見れそうだ」
そう言って差し出された俺の手は血で真っ赤だった。俺はキスをせずに、そのままさやかに寄りかかる。腹を刺されていたのだ。そこへ美絵が駆けつけた。さやかは俺を彼女に任せて自宅へと走った。

水夏 ~SUIKA~

自宅から救急車を呼んださやかは、部屋の異変に気付いた。さやかが一度も入ったことのない奥の木戸が開いていたのだ。父を呼んでみるが返事はない。その木戸の中へ入ろうとすると、誰かに腕を掴まれた。俺だった。俺は、瀕死の体をおしてまでさやかの行く手を遮っている。そこには、ある意味さやかよりも大切な物があるとまで言っている。
「もう、キスしてあげない」
「ははは……それは……っ、困ったな。負けですね……ぇぇ」
力尽きて倒れる俺。さやかが部屋に入ると、リリンと鈴の音が通り過ぎた。その白い部屋の壁には、さやかの子供の頃の写真がびっしりと貼ってあり、床には血の染みがこびりついている。そして、一枚のキャンパスに向かう人影。さやかパパは、あの母親の帽子を被りながら安らかな顔で寝ていた。キャンパスにはさやかの絵が描かれている。
「……これ……お父さん……ごめん、なさい……ごめんなさい……」
さやかは父親に抱きついて、ごめんなさいを何度も繰り返した。

ここからさやかパパ視点に。絵が完成し、協力していた俺は飲み物を買いに行くと言って出て行った。俺も分かっていたらしく
「さようなら……先生」
と言って出て行った。チリンと音がして誰かが部屋に入ってきた。
「なんで、そんな穏やかなの?」
聞き覚えのある声がそう聞いてきた。自分の絵の感想を聞いてみると
「う~ん……元気がでるね」
「おじさんの忘れ物」と言って、その子が白いものを差し出した。律が妻にプレゼントし、娘に受け継がれた帽子だった。その子に帽子を被せてもらうと、さやかパパは億劫になって息を止めた。その子が部屋を出て行くと、入れ替わるようにさやかが入ってきた。さやかに抱かれながら、昔を思い出す。

わたしの心臓は高鳴る力をなくしていたが
私の心は、いつまでもいつまでも笑っていた。

8月1日

水夏 ~SUIKA~

美絵の兄である精神科医に診てもらっているさやか。とりあえず精神的には問題なかったようです。そして、さやかパパが末期癌だったことを知らされた。やり残したことがあったので入院しなかったのだという。それがあの絵だったと。彼は、右手の怪我のため、さやかがもう以前のようには絵が描けないだろうとも宣告した。しかし、今から写真や小説をやってみたいと前向きなさやか。父親と恋人と絵をいっぺんに失って、救いがないなと思っていただけに一安心。
「わたし、この夏のお話を書いて、子供に聞かせてあげるんです。お父さんが、どんなに凄い絵を描いたのかを……」
そして、妊娠してると言ったさやかでしたが、それは嘘でした。
「小説の最後くらいは、それくらい幸せでもいいじゃないですか」
と笑顔で言うさやかが痛々しい。そして、さやかは号泣した。

今でもたまに、この夏の夜を夢見ます
とても大切な人を手に入れて、とても大切な人を失った夏休みの夢を……
いつか、子供達に語って聞かせられればと思う
どこまでも果てのないひまわり畑
おっきな白い入道雲
塗り込められた風は、少し潮の香りを含んでいる
この夏休みが、ずっと続けばいいのに……
そう思えるような絵を、彼はこの夏に描いた
ありがとう、お父さん……

8月2日

水夏 ~SUIKA~

「……紛らわしい。……まるで僕が死んだみたいだ」
俺が、さやかから渡された分厚い紙を読み終えて語る。って、これは反則でしょw

救いようのなかった一章とは打って変わって、終わってみればほのぼのハッピーエンドな話でした。一応、設定上さやかは「魔女」と呼ばれて忌み嫌われる存在のはずですし、そのトラウマで対人恐怖症のはずなのですが、そんな暗い影もほとんど感じずに終わってしまった。一章のような話が続くのも鬱だから、まあいいんだけど、やっぱり最後のオチは納得できないよなぁ。

つづく
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